犬のしつけがQ&Aで分かる!

ミニチュア・ピンシャー犬のしつけ2頭飼い・吠える・言うことを聞かない

質問内容
犬種:ミニチュア・ピンシャー6ヶ月メス2頭(黒・茶)飼育期間4ヶ月強
家族構成:夫30代後半 私30代半ば 息子6歳
問題の内容:よく吠える、言うことをきかない

警戒心が強いのか、とにかく吠えるので困っています。

来客時のピンポンはもちろんのこと、電話の話し声、外での物音、人の話し声が聞こえるだけで吠えたてます。叱ると逃げてしまうので口をふさげないこともあり、また途中から追いかけっこして遊んでいるようで私に吠えているようにも見えます。

お向かいさんには近所迷惑だと言われてしまったので主人は吠える度にうるさいとワンコたちを怒鳴り虐待間近の態度をとるように。家はなるべく窓を閉め切って音が聞こえないようにしています。

また散歩に行こうとすると玄関でかなり興奮状態となり、玄関ドアを開けた途端キャンキャン吠えて走り出し、無論リーダーウォークもできていません。

すれ違う犬、人(特に話しかけてくる方)、自転車に乗ってる人にも吠えたてることしばしば...2頭同時に口をふさぐこともできず、どうしても1頭は時間差で叱ることとなります。散歩は別々にさせた方がいいのでしょうか?

また2頭で喧嘩・じゃれあっている時は、特に茶が唸り声をあげるのでできればその唸り声もやめさせたいのですが...

ベランダで遊ばせている時もよくじゃれあって唸っているので、それも近所迷惑かな...(お向かいさんがうるさい方なので)となんだかそこまでするのは可哀想な気がしますが、喧嘩は仲裁するのが怖いくらい騎馬剥き出しで唸って吠えるので聞こえるとあまりいい気分がしませんよね。

ちなみに家にはトイレ付のケージがあり、当初ケージ飼いをしていましたがトイレが上手にできてきた生後4ヶ月頃からケージはトイレと水飲み場として使い、普段はリビングで過ごさせていました。(ここ数日は留守中と夜はケージに入れるようにしています)ケージは2頭でひとつを仲良く使っています。

また社会科に関して言えば、実家のボーダーコリー(♂)と姉の家にいるトイプードル(♀)には会って3回目くらいから吠えなくなりました。特に黒は犬が好きみたいで尻尾をふって近づいて行きます。

家に何度か来る友人にはピンポンから5分ほど吠えていますが、それ以降慣れると吠えなくなります。ただ、ワンコたちに触ろうとすると唸って威嚇しかみつこうとするので、特に友達の子供は怖がってしまいます。

大人に対してはワンコの方から抱っこをせがんだりすることもあるのですが...子供が嫌いなのでしょうか?

うちの息子(6歳)も無理に抱こうとすると噛みつく(甘噛よりやや強めかな?)ことがあります。息子はめげずに抱いていますが...

①スキンシップの方法:とにかく誉める・おやつで躾・すぐなでる・いつも様子を気にしている。主人はよく怒鳴る。

②あそび:タイミングはまちまち ボール遊びやロープの引っ張りっこ10分くらい。

③しつけ:ごはんの前におすわり・お手・ふせ(特に茶はあまり食欲がないので気まぐれ)。トイレができたらヨシヨシと言って頭をたくさんなでる。叱る時は首を抑え込んで静かに!と低い声で言う。

④おやつは毎日。抱っこはたまに。なでなではたくさん。目が合う度かわいいねと声をかけていた。

⑤雨の日以外は毎日。朝30分くらい、朝できなければ夕方30分くらい。綱を2頭に引っ張られての散歩。クンクンいろいろなものを嗅ぎまわって落ち葉や石を口にすることが多い。黒にはチェーン付の首輪・効果は感じられない。(茶は首が細すぎてよく抜けてしまったので普通の首輪)

⑥一日中リビングで放し飼い
6時 起床の挨拶なでなで
7時 息子を学校に送りがてら駅まで散歩
7時半~8時 洗濯物を干しながらベランダでボール遊び(吠えるとすぐ家にいれてしまう)
8時 ワンコごはん(茶はあまり食べないのでよくドライフードにおやつをまぜてあげていた)
日中は2頭でよくじゃれて遊んでいるので私はただ見ていることが多い
私が外出する時には行ってきますの挨拶 帰宅するとただいまの挨拶
夕方子供が帰宅するとよくペロペロされる
19時~20時 食事の後ワンコのごはん
黒は何故か主人に降伏していて仰向けでお腹をなでられるのが好き よく隣で寝ている
逆に茶は主人が嫌いであまり近づかない
(主人はオ犬の世話は一切しません)
21時 ワンコたち就寝

どうぞよろしくお願いします。


返答内容まず、今が犬のしつけの中で一番大変な時期であるということは理解してあげて、焦らないで期待しないで淡々と続けていきましょう。

成長期でホルモンバランスの変化が激しくイライラ興奮しやすいですし、成犬としての権勢本能も出てきます。

しかし、知能の発達が追いつかないので大変なんです。少なくとも1歳までは本当に大変ですので、もうそのおつもりで接してあげてください。

ただし、もうお気付きとは思いますが、今までの犬のしつけ飼い方は間違いが多かったです。まずは一回皆さんでリセットして、家族全員で意識改革から始めましょう。

まず環境ですが、放し飼いは止めましょう。犬がケージを出たがるのは、放し飼い・かまい過ぎの悪い癖が定着してしまったからです。本来は犬はケージ内や巣穴感覚のクレート型ハウスの方が落ち着いて安心できるんです。習慣にさせるかどうかの問題です。

放し飼いはテリトリー(守るべき範囲)が広くなり神経質になるんです。もともと犬は皆敏感ですが、放し飼いがそれを助長します。

二頭飼いのメリットは退屈しのぎができることです。一頭でもケージ内でちゃんと過ごせるのですから、二頭なら退屈はしないはずです。

そして、犬のしつけの中で最も重要な関係作りです。何を教えても叱っても褒めても、普段の関係次第でその効果が全く違ってきます。

意味のない、ジロジロ見つめて声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・これらは犬が関係を誤解してしまう行為です。

オヤツも止めましょう。栄養のバランスが崩れていますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなってしまいます。

>茶はあまり食べないのでよくドライフードにおやつをまぜて・・

↑ですので、こういう時は10分くらいで下げて、次の時間まで何も食べさせないことです。おそらく7・8か月くらいで、まったく食べない日が来ると思いますが、毅然と対応してください。

そして、オヤツで釣ると表面上コントロール出来てしまうために、本当の関係作りがどこまで出来ているのかが見えなくなってしまうのです。これが一番怖いことです。

接することが悪いのではないのです。毅然さと主導性を持って接してほしいのです。ちょっと犬をかまいたい・・と思った時も、意味なく声掛けナデナデ抱っこ・・ではなく、オテでもスワレでも何でも良いので、何か犬に指示を出して行動させポンポン褒める・・指示で出来なければ型で褒めて教える・・

そういう接し方なら、スキンシップも出来ますし物事も覚えますし主従関係も保てるわけです。

>ロープの引っ張りっこ・・

↑これはおすすめしません。対面しての力比べですので対抗心が強くなるのと、人の動く姿に反応・興奮癖が強くなります。遊びは主導型のコング遊びにしましょう。

>主人はよく怒鳴る・・

↑これも止めましょう。犬は怒鳴られても理解できず、興奮や防衛本能があおられるだけで逆効果になります。

吠えのしつけについて今回は、もう6か月で骨格もシッカリしてきていますので、リーダーウォーク中心にしましょう。

犬と一緒に居て首輪をすぐつかめる状況の時は口閉じで教えて良いですが、そうではない時は追いかけても逃げるだけですので、まずは放し飼いを止めることと、ケージから犬を出すときは常にリードを付けて持つ癖にされると良いです。

トイレの失敗や暴走も防げますし、自然と犬の行動全体を主導することにもなります。

そして、家族で協力して練習しましょう。例えば、ご両親が一頭ずつにリードを付けて持っておきます。

子供さんが物音を立てたり、チャイムを鳴らしましょう。そこで犬が吠えますので、吠えたら「シ!」の指示音を繰り返しながら厳しくリーダーウォークをしてください。

吠えを止めたら、犬を無視しながらそこに立ったままじっとします。そしてまた音やチャイムを鳴らして、吠えたら再度「シ!」の指示音でリーダーウォーク・・・ひたすらこれを繰り返してください。

くり返していくと、音に慣れたり・吠えがいけないことも理解していきますので、吠えなくなる瞬間がきます。そこで「シー」でポンポン褒めてあげます。

以上を何度も何度も反復で練習してください。

【その他】

>私が外出する時には行ってきますの挨拶・帰宅するとただいまの挨拶・・

↑出発帰宅前後、10分は完全無視してください。犬にとってみれば、留守番時とのギャップが大きくなる・・ということです。このギャップがストレスになります。

>子供が帰宅するとよくペロペロされる・・

↑これは良いことです。下位の犬は上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶します。ということは、「人間が犬をジロジロ見つめて声掛けナデナデ」ということがいけない理由もお分かりいただけるはずです。

ただし、子供さんにも出発帰宅前後、10分は完全無視するように約束させてください。

それと、犬の飛びつきは遊びでもありますが、支配性の表れであり相手の反応を見る行為でもありますので、もし飛びつきもあるのなら絶対に許さず、「ダメ」のあと、「スワレ」の指示音ジェスチャーを出しながら首輪をつかんで型を取らせてください。そしてそこで指示音ジェスチャーでポンポン褒めて関連付けもしてください。

ちなみに、自分のホッペを指差しながら「チュ」の指示音で、犬に舐めさせ褒めて関連付けると、キス舐めの挨拶を指示でさせることができます。

>逆に茶は主人が嫌いであまり近づかない・・

↑怒鳴ることを止めるのと、主導型のコング遊びをしてあげたり、あお向け・リーダーウォークで関係作りをしていきましょう。

では今日は以上です。現状は、家族皆さんがバラバラの接し方で、それぞれ間違っていました。

奥様と息子さんは毅然さと主導性を意識すること、ご主人は怒鳴らず主導型の遊びでスキンシップを持ってあげること・・

ご家族全員でよーく話し合って、一貫統一してください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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