犬のしつけがQ&Aで分かる!

チワワ犬のしつけ飼い方・本気で怒って噛む・夏の暑さ対策

m1.png・問題の内容
初めてお便りします。ずっと以前(30年以上前)柴犬を飼っていましたが、室内犬は初めてです。可愛いですが、問題児です。

夏場の注意点(室温、湿度など)を教えて下さい。自宅のリビングにゲージがありますが、夏はとても暑く、窓を開けても人間の眠れる環境とは言えず、少し心配です。暑さ対策などあるのでしょうか?

・愛犬の犬種、年齢、性別、他にも愛犬の有無
チワワ、9ヶ月、メス、他の愛犬無し

・ご家族全員の年齢、性別、一日の愛犬との同居時間
私47歳3時間、妻36歳5時間、長男14歳2時間、長女11歳5時間、母74歳13時間(おもに月~金曜日で睡眠時を除く)

・過去の接し方と、一日の流れ

娘の強い要望で世話をする条件を付け、生後4ヶ月の愛犬を購入。当初反対だった妻や祖母も犬の愛らしさにまんざらでもなく、家族全員で溺愛。甘噛みがちょっと痛いのが気になったが、家にどんなお客が来ようとも大喜びで興奮状態の愛犬はとても評判が良く体裁の良い犬だった。

ところが、7~8ヶ月頃から機嫌の悪い時(特には眠い時)触ろうとすると、本気で怒って噛むようになり、誰も触れず、見かねた私が手を出した時も噛まれ、咄嗟に思い切りぶんなぐってしまったが「キャンッ!」と鳴いたものの、それでもまだ唸り声を上げ、再度叩いてしまったが、唸っていた・・・。

なんと気の強い犬かと思ったが、他にも、おしっこの時に軽く片足を上げてしたり、また生理のとき盛りの付いたオスのように、大きなぬいぐるみや人の足に、マウントポジションで腰を振って見せたりと・・・・ほんとにメスかと疑った。最近は、一番溺愛している母の後を追いかけている状況で、人の食べる物をこっそりあげている事がわかり、注意しても聞けない母に頭を痛めていまして・・

私だけがひそかに堀川さんの犬のしつけ方を実践し始めたところです。

【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)

①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
甘噛みが1番好きで、直したかったが、直らなかったので、可愛さに負けてしまいされるがままに・・・。また自分から意味もなく頭をなでていました。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
夕食後、「口笛で呼び」、「お座り」、「お手」、「伏せ」、「ボールを投げ捕って来る」を覚えさせようと、ご褒美のおやつを片手に遊び、結果出来る様になりました。

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
甘噛みをした時は「こらっ!」と声のみで叱る。トイレでおしっこ、うんちを、出来た時は、その都度、おやつを挙げ、頭をナデほめる。またトイレで失敗した時は、現行犯のみで「こらっ!」と叱り、トイレのあるゲージに入れる。基本的に体罰は無し。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
よくやりました。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
1日10分~20分娘がしていましたが、リードを着けたり、外したりする時、たまに怒る時があってからは、全くしない時期もありました。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
7:00起床、朝ご飯、~室内で放し飼い、庭がちょっと広いので時々リードを着けずに外に出す。~19:00夕ご飯~21:00就寝


m2.pngまず暑さ対策ですね。チワワは室内犬のか弱いイメージがありますが、起源が分からないほど歴史が古い犬で、現代でも南米の高地なんかでは、野良犬がチワワなんですね。

南米の高地というと、昼間は暑くて夜は寒い・・という過酷な環境下ですが、チワワたちは野良犬として立派に生き続けています。

ただし、今9か月ですね。夏の経験が初めてなので、犬自身がどう過ごせば良いのか分かっていませんので、対策はしてあげましょう。

もちろん一番良いのはエアコンをずっと付けてあげることです。30度ちょっとくらいにはやっぱり保ちたいです。ただ、24時間連続となると電気量もバカになりませんね。

次は扇風機です。近距離から直接は当てないで少し遠目から緩やかな風を送ってあげましょう。特に運動や散歩したあとは、無風・無冷房は厳しいです。

家の犬は最初の夏にバテました。水すらも吐いてしまいました。そうなると脱水症状で危険なので、冷房の効いた部屋に移します。すぐ直ります。そうやって経験すると、犬も水を飲むペースや体を動かすペースを無理しないようになっていきます。

今は我が家はもう冷房や扇風機は当ててません。ただし、真夏だけ運動後と散歩後だけは、遠目から扇風機で風を送っています。基本はそれで大丈夫です。かえってあまり冷房の効き過ぎにすると、散歩時とのギャップが大きくなりすぎてバテます。

次に被毛のカットです。特にチワワは立ち耳で大きいので、放熱性が良いです。耳の内側をバリカンできれいに刈ってやります。反対に、そうしないと蒸れて黒い垢(細菌の塊)もたまりやすいです。

お腹、胸、お尻など、外から目立ちにくい部分も短めに刈ってあげましょう。ただし、根こそぎ刈ってしまうと地肌が傷付きやすくなるので、数ミリはアタッチメントを付けて残すように刈ってあげます。

もちろん犬は見た目が変でも文句は言いませんので(笑い)、全体を短くカットしても良いです。私は毎年自分でカットしています。私の用品サイトにバリカンも載せてあります。今6月中旬ですから、7月前には私も刈ってあげようかなと思っています。

http://hobby-life.org/

それから次も用品サイトに載せてありますが、ヒンヤリマットです。と言っても私が推奨しているのは石製の板です。
金属製ですとフニャフニャしなるので犬が嫌がります。ウォーターベッド式ですと、犬が噛んで破きます。

天然石はしっかり丈夫で、素材も自然です。犬は不思議なもので、放すとちゃんと温度の低い場所を見つけて座ったり腹ばいになったりします。

お写真を拝見すると窓際ですね。絶対に直射日光が当たらないようにしましょう。それと、布をケージの上と側面に掛けておられますが、風通しが悪いので、「すだれ」のようなものが良いでしょう。

来年からは冬毛が大量に生えます。放っておくと夏までモコモコの毛が残ってしまいカラマリも出てしまうので、マメにブラッシングして抜け毛を積極的に取ることです。生後9か月で一冬越していますから、もしかしたら結構今も冬毛があるかもしれません。白っぽい細い毛が冬毛です。


それから犬のしつけのお話です。

実際には主従関係が崩れてしまっています。チワワちゃんの素性が良い子なので、今まではそれで済んできましたが、普通の犬は甘やかしで飼っていると、もう6か月前に手が付けられなくなってしまいます。

問題犬ではありませんよ(^-^)良い子ですよ。生後7か月くらいから反抗期の症状が出ます。成犬への最後の移行期ですので、ホルモンバランスが変わり、知能も高くなってきてイライラしたり、強気な面が出てきます。

まずは、ご家族全員で意識を共有して、接し方を根本から見直しましょう。

意味の無い声掛け、ナデナデ抱っこにオヤツ・・そういう接し方は犬の本能の視点からは「従属的」に映ります。数か月繰り返してきましたから、反発もしますし取り返すのは大変です。強い気持ちでやり続けなければいけません。

かと言って接することが悪いのではなく、むしろ積極的に「主導」で接してほしいのです。オテでもスワレでも何でもいいので、必ず「指示→従う→褒める」というパターンを意識してください。出来なかったら型で教えて褒めます。それが、あお向けやリーダーウォーク、主導型のボール遊びならなお良いです。

そういう接し方なら楽しくスキンシップもとれますし、主従関係も深まっていきます。いつでもどこでも常に「主導」を忘れないことです。

お母様に伝えてください。このまま甘やかしを続けると、本気で噛んでくるようになり、小型犬でも本気で噛まれれば指が千切れます。誰も触ることすらできなくなる場合もあります。そんな世話もできないような状態になってからでは遅いのです。そういう犬の末路はもうお分かりですね。

また、人間の食べ物は犬の寿命を縮めます。大切な家族をそんな運命にさせてしまったら、悔やんでも悔やみきれません。

それから体罰や威嚇は厳禁です。悪循環になります。犬には自分の罪と体罰を結び付けて反省する知能が無いのです。理解できないので防衛本能で反撃するだけです。

強い体罰を受けると、嫌なのでその人の前ではなんとなく大人しくしますが、犬は自分のした行為を反省しているわけではないのです。反撃のチャンスを待っているし、他の人を攻撃しようとします。神経質で臆病で攻撃的な犬になります。

> トイレで失敗した時は、現行犯のみで「こらっ!」

トイレの失敗は叱ってはいけません。犬は「場所の失敗」という概念が理解できないのです。犬はただオシッコしただけなので、叱ると「オシッコを怒られた」と思い、隠れてそこら中にオシッコします。数秒後に叱ったなら、さらに理解できません。

とにかく、まずはどこでしていても音の関連付けを続けて、その後条件を作り、トイレの場所でさせ音と場所のジェスチャーを関連付けて褒める・・ひたすらこれをやり続けるだけです。オシッコしやすい条件は人間同様、起床後・食後・緊張興奮時です。

散歩は社会化にとって大変重要です。大雨でない限り、毎日30分以上しましょう。休日はもっと時間を費やしましょう。無理に距離を歩く必要はないのです。どこかに座って、通りがかる人や犬をたくさん見せるだけでも全然違います。吠えたらスワレ・マテをさせ口閉じで教えます。

甘噛みはしっかり直しましょう。態度やリーダーウォークなどで、関係作りができてくると自然に治る場合もありますが、直接の教えも大事です。

噛んだら「ダメ!」と厳しい視線を送りながら口を手で閉じます。それで悪い型は止まり良い型になったので、褒めて口を放します。(褒め方はナデナデではなく、名前を呼んで「○○良い子!」で肩をポンポンしてください)。

口を放して、手をまた犬に見せてください。噛んだら再度同じ教えをします。しつこく繰り返していくと、噛まなくなる瞬間がきますので、そこでしっかり褒めて何度も反復することです。


一度にお話し過ぎると混乱されるといけませんので、今日は以上にいたします。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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