犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛みつき・唸り・暴れる・トイレを失敗するチワワ犬のしつけ

質問内容
・犬の問題の内容:

ドッグトレーナーに個人指導をお願いするべくカウンセリングを受けましたが、その時点でトレーナーが訓練を辞退されました。

「犬の精神科医で薬を処方されるのがいいのではないか?」とのことで、ダメ元でアダプティルという首輪も買いました。

なんでもトレーナーが言うにはストレス解消になり気持ちが落ち着く効果があると。。。(うちのチワワに全く効果なしで無駄な買い物でした)

極端に臆病で他の犬、人間に一切なつこうとしません。

自分から襲うことはなく、それらを回避するのですが、稀に人がそれでも近づいて触ろうとすると唸ります(噛みつくことも予想されます)

私自身、鼻を噛まれ、消えない深い傷となって残っています。

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機なども):

チワワ1歳と8か月オス、生後3か月に一人暮らしは寂しいので購入

・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間:

私女性50代。朝の2-3時間と私が帰宅してから寝るまでの4-5時間。
パートナーの男性50代。週に3回ほど訪れます(犬に接する時間2時間ほど)

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

自分の子供のように接していました。一人でその子が寝ていても傍にいって嫌がるのを無理やり起こし抱っこするなど。

遊びは散歩以外特にしていません。たまにドライブに連れていきます。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

寝室にマーキングをされ何度叱っても、掃除してもまたそれを繰り返されたとき叩いてしまいました。鼻を噛まれたときは叩くことはしませんでしたが大声で叱りました。

③過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?

オヤツは特に上げていませんが、なでなで、声かけは常にしていました。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

30-40分。私より前に行こうとするので紐でひっぱり調整していました。自分の思い通りにならないことを示すために犬を振り回す形になっていたと思います。

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

朝、ケージをあけデッキに出してあげる。
朝8時前後に散歩。帰ってからごはん。
その後、必要であれば週に一度ほど、お風呂というプロセスをこなしその後私は出勤。

私帰宅、ケージ開ける。犬を抱っこしたりしてかまう。そのあとごはん。

そのあとケージに入れようとすると、牙をむいて唸り今にも飛びつきそうな程暴れる。

ハウスと言っても言うことを聞かず、無理やりケージドアを閉める形になるが、前回は腕に飛びつき血が出るほど噛みつかれる。

散歩から帰ったときはリード紐を外し足をお湯で洗ってあげるのだが、もう散歩は終わりと悟ると唸り、とびかかり、噛みつこうとする。

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)

添付いたしました。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

今回は、あせらないで無理されないで、「犬の本質を知る」というところから始められてください。

その子の素性に問題があるのではありません。

もちろん、個性はあります。

あまりチヤホヤ・ベタベタを好まない犬もいますし、敏感な子もいます。

その子の個性に応じた接し方も必要になりますが、犬との接し方・しつけ方の基本から外れてしまうと、やはり問題も起きます。

今回の原因の大きなポイントは以下です。

>嫌がるのを無理やり起こし抱っこする・・
>寝室にマーキングをされ何度叱っても、掃除してもまたそれを繰り返されたとき叩いてしまいました・・
>鼻を噛まれたときは叩くことはしませんでしたが大声で叱りました・・

↑これらは、犬にとってとても嫌な行為であり、理解できないことでもあります。

信頼関係を失い、防衛本能や敵対心をあおるだけになってしまいます。

また、正しい知識が無かった場合、他にも接し方のお間違いがあったかもしれません。

もちろん、犬と一緒に暮らせば家族になります。自分の子供と同じです。

ですが、犬には犬の本能があり、個性もあります。また、人間の子供だったとしても、嫌に感じる事・理解できない事が同じだったりもします。

今回を機会にして、もう一度根本から犬のしつけを学んでいただきたいと思います。※パートナーの方とも必ず共有・統一されてください。


さて、まず今回はあせらないようにされてください。

感情的になって、アレコレやって早く結果を出そうと思われないことです。

今は信頼関係がお互いに薄れていますので、このまま無理すると悪循環になってしまいます。

まず、接触系のしつけ手法は無理されないでください。

口閉じや仰向けはしばらく止めます。

距離を保てる、リードを使った手法をしばらく続けてください。

そして、今後は絶対に、

・トイレのしつけで叱る
・体罰をする
・怒声で怒る

ということをされないでください。

まずトイレですが、犬はトイレの失敗を叱られても、その意味を理解できる知能がありません。

例えば、噛み付きや吠えの場合は、その瞬間で上手く叱れば、繰り返しで理解できるようになり、行為を止めます。

ですが、トイレのしつけの場合は、叱られた時に、排泄の行為と叱られたことを結び付けてしまうので、「飼い主さんの目の前で排泄する行為を止める」というだけになってしまい、ますます隠れて粗相することになってしまいます。

今までよりもさらに失敗が多くなってしまうので、どんどん悪循環になってしまいます。

また、時間差で叱ってしまうと、犬には全く何のことか分からないので、単なる攻撃とみなし、根本から関係が崩れてしまいます。

同じように、体罰や怒声で怒られること自体も、犬の知能では理解できず、防衛本能を刺激するだけになってしまいます。

トイレのしつけのほうは、もう一度やり直してみましょう。

まずは放し飼いしないように、ケージから出すときは、リードを着けて持っておくようにしましょう。その体勢で団らんしたり主導型のコング遊びをします。

そして、その行動範囲には、トイレシートを敷き詰めておいて、まずはどこでも良いのでオシッコさせます。

オシッコしている瞬間を逃さず、「チチチチ・・・」の音を出して、関連付けしていきましょう。

まずはそこに注力します。

音の関連付けが出来てくると、排泄しやすい条件になった時に、音を出すことで促すことができます。

条件は、起床後・食後・ケージから出始めや遊び始めの興奮時です。

その時に、関連付けておいた音を出して、うながしてください。条件反射もありますので、排泄しやすくなります。

そして、そこで出来るようになってきたら、今度は条件を作って刺激を与えた後、ケージ内のトイレに誘導して音でうながします。リードを着けているので、そのまま連れて行ってください。

また、普段からケージ内でご飯を食べさせるようにしたり、コング遊びの途中でハウス内に転がしたりなどもします。犬が入る時に、「ハウス」などの音と指差しジェスチャーで褒めて、関連付けておいてください。

ハウス好きになれば、トイレや寝る時に入れる際なども楽になります。

ケージ内のトイレで排泄できた時も、トイレを指差して音で褒めてあげてください。


さて、「しばらくはリードを使った手法で・・」「ケージから出すときは、リードを着けて持っておくように・・」とお話いたしました。

そうやって過ごすことで、常に主導性を示す形になり、主従関係の意識を作れるのと、噛み付きを注意したり制御したりがやりやすくなります。

犬が唸ったり噛んできた時は、「シ!」の注意音と同時に、リードをチョンと引き上げて注意します。

感情的に怒らず、コツコツ淡々と教え続けます。

また、遊びの合間などに、そのままリーダーウォークに移行することもたくさんやってください。特にお天気の悪い日は、家の中や廊下(滑り止めを敷く)を、リーダーウォークでグルグル歩き回ってください。

お散歩自体は好きな子のようですので、たくさんしてあげてください。出来れば連続で1時間くらいが望ましいです。(小型犬ですので人間が歩くペースはゆっくり)


>散歩から帰ったときはリード紐を外し足をお湯で洗ってあげるのだが、もう散歩は終わりと悟ると唸り、とびかかり、噛みつこうとする・・

↑これはおそらくですが、散歩が終わりで怒っているのではなく、足を触られたりお湯をかけられることが気に入らないのだと思います。

本当に帰りたくないのであれば、帰り道や玄関前で伏せて固まったり、飼い主さんの足を噛んできます。

しばらくは、足洗いも止めましょう。

その代わりに、玄関にトイレシートを数枚敷いて、そこにペット用の消臭殺菌スプレーをシュッとして、その上を少しウロウロ歩かせてください。

それだけでも十分足裏はキレイになります。

他には、玄関でペット移動用のバッグに犬を入れて(中にはトイレシートを敷いておく)、ケージまで運んで入れて、家の中を歩かせないようにします。

(ペット移動用バッグの写真)
http://osiete-wanwan.com/p23.png

30分くらいでもケージ内でウロウロしていれば、例えば雨で濡れた足でも乾きます。あとでケージ内にたまった砂汚れを拭いたり掃除機をかければ良いだけです。


ということで、今日は以上にいたします。

まずは無理しないで距離を少し置くようにして、落ち着けてください。

お散歩やドライブが出来るくらいですので、取り返しはちゃんと出来ます。

犬を知ること、その子の個性も受け入れてあげること、まずはそこからスタートです。

それでは、Q&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)

飼い主さんからのお返事.png
堀川さん、お世話になっております。

昨日いただいたアドバイスの結果を何点か報告させて下さい。

1.マーキング→寝室のベッド角、リビングテーブルの脚付近にしていたのが、しなくなった。

2.「本当に帰りたくないのであれば、帰り道や玄関前で伏せて固まったり、飼い主さんの足を噛んできます。しばらくは、足洗いも止めましょう」というアドバイスに従い、足を洗うのは止め、濡れたバスタオルの上を歩かせる、拭く場合も一足づつそっとというのを実行したところ、唸らなくなりました。

堀川さんのアドバイスに驚きました。

3.現在は堀川さんの教えに従い、声かけ、抱っこ、じろじろ見る、一緒に寝る、大声で叱る、叩く、全て止めて、朝起きてからしばらくはケージも開けずにそっとしておく。

4.お座り、マテ、ゴロン(仰向けは)できるようになりましたがやるときとやらないときとがあります。

5.伏せ、お手、お替りは全くできません。

そしてこれが最大の難関

朝、そして寝る前のケージ入れです。ケージに入ってしまえば静かになります(人が来た場合は別でずっと鳴き続けますが。。。)

動画を添付しました。

引き続きアドバイスいただけるととても嬉しいです。よろしくお願いします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

まず、あせってはいけません。

急いでアレコレされ過ぎておられるように感じました。

例えば、「足洗いを止める」「チヤホヤを止める」という、『止める系』のことは良いのですが、前回お話ししましたように、噛み癖が強い間は、仰向けや接触系のしつけはしばらく待ってください。

まずは基本のスワレ・マテを、「遊びの中で」教えるだけで十分です。

フセ・オテなどは、関係が戻ればオヤツが無くても5分で覚えます。

今大事なことは、芸を覚えさせることではなく、主従関係と信頼関係を作ることです。

まずは、簡単な事だけをさせて、成功させて褒めてあげることで、信頼関係を取り戻していただきたいのです。


動画を拝見しましたが、いくつか改善点があります。

スワレの指示を出した時に、指示だけで結果を得ようとされないことです。

数回指示を出してみて、犬がしない場合は、もうこちらから型を作ってあげて、指示音ジェスチャーで褒めてあげてほしいのです。

「覚えているはずなのにしない!」と感情的になってしまうと、ムキになって指示を出し続けてしまうのですが、そうではなく、首輪かリードを少し引き上げて、スワレの型を作ってあげてください。

直ぐに成功させて褒めてあげることで、お互い自信になります。

信頼関係が積み上がっていきます。

また、拝見しておりますと、もしかしたらジェスチャーがあいまいかもしれません。

スワレとマテの違いがハッキリしているでしょうか。

あまりオリジナルにこだわらないで、もう私のマネをしたほうが早いと思います。

スワレは人差し指を立てる、マテは手の平を見せる、ハウスはハッキリとハウス内を指差してください。


ハウスですが、いきなりハードルを高くしないことです。

前回もお話ししたように、コング遊びの途中でコングをハウスに入れてあげたり、ご飯の時間を利用したりして良いです。

簡単なレベルから成功体験を積ませて上げて、自信と信頼関係を作りやすくしてあげてください。

また、Q&Aの記事でもお話ししておりますが、「ハウスに入れて扉を閉めて終わり」にしないで、直ぐに褒めていったん出してまた遊んであげてください。

毎回毎回、入って閉められて終わりにすると、嫌な印象だけが残ってしまい、入りたくなくなってしまいます。

入った時に直ぐに褒めてあげることと、最初は扉を閉めないことと、入ってもまたすぐに出してあげて、それを何度か繰り返したら、最後に閉めます。


ということで、もう一度、私からの過去メールとQ&Aを必ず熟読されてください。

情報のつまみ食いは、とても危険です。

教材のご購入とメールサポートが昨日の今日です。

「急いては事を仕損じる」(せいてはことをしそんじる)という、ことわざもあります通り、あせって急ぐとかえってマイナスになります。

もちろん、お忙しいことは承知しております。ですが、犬には人間側の事情は理解できる知能がありません。

そこまでレベルを下げて、分かりやすく教えてあげたほうが、しっかり勉強したほうが、遠回りなようで実は近道です。

ただそれも、あっという間に結果が出るようなことを求めてはいけません。

しばらくは、求める時期ではなく、「与える時期」(教える時期)にしてあげてください。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針