犬のしつけがQ&Aで分かる!

柴犬のしつけ2歳で里親になって引き取った

m1.png家に柴犬のメス2才が来てから1カ月になります。(避妊済み)
里親募集で頂きました。以前はお年寄りが外飼いしていたそうです。体調を悪くされ飼えなくなり、里親募集に出されました。かわいがられてはいたようですが、柴犬のしつけはされておらず、お座り等何も知りませんでした。
 
家に来た当初は大変おとなしく、下痢をしたりしてかなり緊張していたようです。今は室内で飼っています。クレートを置いてありますが入ることはほとんどありません。柴犬用のベットがあり、最近はそこで寝るようになりました。昼間はデッキに出しておく日もあります。その時は室内で使っているクレートを出しておくと時々中に入っているようです。
 
だんだんと慣れてきて元気が出てきてから困ったことが出てきました。遊びに誘うように服等を噛んでくる。主人が帰宅し腰を下ろすとあちこちかぷかぷと噛む。なでると股の間に頭を突っ込んできて激しくなると甘噛みしようとする。子どもが帰宅した時も後ろから軽く噛んだり家の中を走り回って誘う体制をとる。服や持っているタオル等を噛んでひっぱる。子どもに何か渡そうとすると走ってきて立ったり飛びついてくる。下の子は一度後ろから柴犬に噛まれ、内出血。

柴犬が穏やかな時はなでていると自分から仰向けになりどこをさわってもいい子でいます。こちらが主導、もしくは甘噛みをした時に仰向け固めをしようとすると抵抗し、噛みつこうとする。帰宅すると、また散歩中に会った人に声をかけられると飛びつく。(喜んでいる様子。)
 
宅急便等来客が来ると吠える。
 
散歩の引っ張りは当初からとても強く、知り合いからチョークチェーンを勧められ使っている、以前より引きは弱くなっているがどうしても人より前に出る。
 
子どもと家族のように柴犬と楽しみながら暮らしたいと思って飼いだしましたが、甘噛みといえども、犬を飼うのが初めての私も子どもも恐怖を感じてしまいます。
 
暮れから年始にかけて柴犬を連れて実家に帰る予定です。玄関にリードでつなげ、クレートを持っていこうと思っていますがいい子でいるか心配です。
 
このひと月でお座り(完璧ではないですが)、食事前の待てを覚えました。体のどこを触っても(子どもも)怒らないし、ホントはとてもいい子なんだと思います。堀川さんのおっしゃる通り、犬を飼うのが初めての私達がしっかりできればきっといい方向に行くと思うのですが・・・。
 
藁にもすがる思いでマニュアルを購入し、メールさせて頂きました。とにかくリーダーウォークを柴犬と毎日頑張ってやっていこうと思いますが、他にもアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
 
家族構成は 主人・私・長男(6年生)・長女(3年生)・二女(年長)


m2.pngまず、柴犬ちゃんは良い子です(^-^)
 
先天的に攻撃性が強い犬や、人間との主従関係が完全に逆転している場合は、そんなものでは済みません。歯をむき出し、鼻にシワを寄せ、鋭い目つきで唸ってきますが、そういう状態ではないようです。
 
今回の柴犬ちゃんの甘噛みは、遊びの催促や「相手の態度を試す行動」です。新しい環境にも慣れ、新しい家族(群れ)の中で自分と相手との関係を確認している段階です。
 
柴犬ちゃんは素性も良い子ですし、2歳ですから知能も落ち着きもある程度あり、子犬よりは早く物事を覚えてくれます。とは言え、犬の知能はとても低いですし、前の飼い主さんが外飼いだったということで、人間とのコンタクトや指示を聞いて従うこと自体に不慣れなはずです。ただ、外飼いですと過度な甘やかしが必然的にされないので、それはプラスになっています。
 
さて、1ヶ月も経ちましたので新しい家族と環境にはもう慣れています。リーダーウォークも直ぐに始めていいです。まずは家族全員で、本書やHPで解説した態度を徹底してください。態度、あお向け、リーダーウォーク、ヒモ付ボール遊びで主従関係と信頼関係を深めます。子供さん達にもご両親が補助してさせてください。
 
ただし柴犬のしつけが浸透するまでは、子供さん単独で柴犬と散歩に出かけたり、単独で柴犬のしつけをさせないでください。まだお互い未熟なので、事故や主従関係の逆転が起こりやすいです。ご両親がしっかりしつけできるようになり、子供さん達に教え、やらせてみて合格なら、その後は任せても良いです。
 
まず散歩の引っ張り、飛びつきのしつけです。チョークチェーンですが、私は止めました。まず犬は適応力があるのですぐ慣れて効かなくなりますし、首の周りの被毛が薄くなるだけです。また、プロトレーナー達の調教のように、タイミング良く強烈に引けば、表面上の効果はありますが、それは単なる調教であって物の効果にすぎません。人間と暮らす以上は、人間を本当に信頼した精神的な主従関係でなければ意味がありません。物の効果が混じってしまうと、それが見えなくなってしまうのです。
 
本書のリーダーウォークとツケの練習を徹底してください。家でもどこでも時間が少しでもあったら、やってください。特に食事前にたくさんやると、犬の主従関係の認識がわかりやすくなります。最初からキレイな形にこだわらなくて良いです。上手く犬の体をコントロールすることよりも、毅然としたリーダーとしての態度をしっかり見せてください。主導し、見せ続けるから相手を犬は認めるようになるのです。犬のしつけは根競べです。
 
続いて吠えと噛みつきです。主従関係の構築と平行して、型と音でシンプルに体現で教えていきます。犬の知能ではそうやって根気良く教え続けていかないと覚えられません。まず噛んだら「ダメ」と同時に首輪をつかみ、反対の手で犬の口を軽く閉じます。必然的に噛みつきも吠えも止まります(良い型が出来た)ので、そこで褒めます。そして開放するとまた噛んだり吠えたりしますので、再度「ダメ」と同時に首輪をつかみ・・・この繰り返しです。手を口の前に出しても噛まなければ、しっかり褒めて反復してください。シンプルですが、犬の知能ではそうしないと覚えられないのです。そして主従関係が出来ていないと、犬は言う事を聞こうともしないし、褒められても嬉しくもなんともないのです。
 
【その他】
 
柴犬ちゃんは社会化も不足していますので、他人を避けないでむしろ積極的に会わせるようにしてください。散歩も明るい時間帯に、犬や人が多く通る場所を選ぶ・・郵便配達などのちょっとした来客の前にも連れて行き、会わせるようにしてください。そこでスワレ・マテをさせ先ほどの吠えのしつけをします。
 
またボール遊びをしてください。ヒモ付にして飼い主が主導すると、主従関係の構築にとても良いです。ストレス解消、自由運動、狩猟本能のはけ口、などなど良い要素がたくさんです。投げる前に必ずスワレ・マテをさせ出来たら褒めて投げる・・このパターンにしてください。
 
普段の犬と接するときも、そのパターンは不変です。意味なくかまうのではなく、オテでもスワレでも何でも良いので、必ず指示→犬が従う→褒める・・これを家族で徹底してください。できなければ型を作ってあげて褒める・・そうやってシンプルに体現させて、犬の知能で理解しやすく教えていき、関係を積み上げていってください。
 
>穏やかな時はなでていると・・・
 
↑とありましたが、なでる行為はなるべく止めましょう。乳幼児は舐められる(なでられる)ことで安心感と情緒が安定しますが、成犬になると、舐められる(なでられる)行為は、下位が上位に挨拶する行動だからです。だから犬に対してナデナデ・オヤツ・抱っこは止めましょう。犬の視点からは従属的に見えます。褒めるときは、体か頭を軽くポンポンポンとたたいて、名前を呼んで「良い子!」・・とハッキリ毅然と伝える・・それで十分です。それ以上すると、それも犬にとっては従属的に見えてしまいます。
 
クレート、トイレ、ベッドはバラバラで部屋では放し飼いでしょうか。できればケージ(囲い)があって、その中にクレート(ハウスとベッド)とトイレが入っているのがベストです。ストレス面、犬のしつけ面、両方でメリットが大きいです。
 
では、今回は以上です。しばらく頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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