犬のしつけがQ&Aで分かる!

柴犬が足に抱きついてきたり足首から下を噛んでくる場合のしつけ

質問内容
愛犬のしつけに困り、どうしたらよいかと探していたところ、貴サイトにたどり着きました。

月齢3ヶ月の柴犬のオスをペットショップで購入しました。今は10ヶ月半です。きっかけは、数年前に夫が病気で他界し、高校年だった息子が精神的にダメージを受けて不登校になり、癒しになればと欲しがっていた柴犬を買おうと思ったことです。

初めて犬を飼うことになったので訳がわからず、いろいろ調べながら飼育していたのですが、和犬は気難しく初心者向けではないとわかり、娘を噛むのに困り、トレーナーに5ヶ月預けました。

戻ってきてから1ヶ月ほどたちました。費用はかなり掛かりましたが、戻ってきてからは、簡単なコマンド(シット、ダウン、ステイ、ノー、ハウス、ヒア)は出来たのですが、おしっこをさせた後、フリーにさせると良いと言われ、少しずつフリーの時間を長くしていったところ(最高1時間)、ハウスを拒むようになりました。フリーの間も、リードはつけたままです。

散歩のときも、トレーナーがいるとヒールが出来ていたのに、戻ってからは出来ません。先になって行こうとします。足に抱きついてきたり、足首から下を噛んできます。まだリーダーと認められていないようです。

トレーナーは、個人でやっている
JKC 公認訓練士
JKC 公認C級ハンドラー
JKC 愛玩動物飼育管理士 
という肩書きを持つ方で、ハウストレーニングなので、クレートを使ったトレーニングでした。

普段は、クレートの中に入れて扉を閉じ、バスタオルで覆い、1日に数回外に出してそのつどオシッコやウンチをさせ、散歩や食事や遊びなどをさせるように言われてやっていました。

首にはしつけ用のチョークチェーンをつけています。言うことを聞かないときは、強く引いてカチンと鳴らすのですが、私がやっても言うことは聞きません。

貴サイトにめぐり合って、クレートとサークルを使ってハウスを作ってみました。リーダーウォークも昨日やってみましたが、まったく変化は無く、むしろストレスで以前からやっていた尻尾を噛んで回る行為が激しくなったように思います。いきなり環境を変えてしまったせいかもしれません。今日もやってみましたら、少し良くなり、傍について歩くようになりました。でもまだ少し頭が先に行っています。

犬のしつけ、スキンシップのタイミングは、フリーの状態でいけない事をしたらノーと低い声で言う、言われたことが出来たら「えらいね~!できたね~!と、大げさな声で褒める、です。

夜、ご飯を食べさせた後に自由にさせ、牛のひづめをかじらせたり、ボールで遊ばせたりしていました。ただ、ひづめはなかなか離さないし、ボールも最初のうちは自分で遊んで離さず、ある程度遊んでから足元にポトンと落とし、投げてくれというように待つ感じでした。よく考えたら、これも犬主導ですね。

遊ばせたまま家族で夕飯を食べていたので、順序が逆でした。帰りが遅い娘に時間を合わせて食べていたので、こうなっていました。昨日は、家族が済んでから食べさせました。

だっこは、必要がある時にしかしていません。だっこというより、抱き上げるという感じです。

散歩は、トレーナーさんに、人間の都合で出来ないときはしなくても良いし、5分でも犬は満足するから良いですよと言われていたので、日によってまちまちでした。長かったり短かったり、したりしなかったり。長くても1時間以上はしていません。

私は仕事をしていますが、毎日大体同じ時間にご飯や散歩をしていました。朝5時半から6時に起きて、身支度をして洗濯機をセットし、子供たちのお弁当を作り、朝ごはんを済ませ、だいたい6時50分から7時くらいにオシッコをさせてご飯をあげてウンチをさせています。朝は忙しいので、決まった時間にこなしていかないと間に合わなくなってしまうので。それからクレートに入らせて出かけます。

仕事が終わって帰ってきたら、予約で洗いあがった洗濯物を干し、昼ごはんを食べて、15時くらいにオシッコをさせて散歩に行きます。帰ってきたら、またクレートに入らせ、自分の好きなことをして、17時半くらいにお風呂の用意をして、18時に入浴をして、出たら犬にオシッコをさせご飯を食べさせ、ウンチをさせて、そのままフリーに。ひづめをかじらせ、その後ボールを与えます。

同時に夕飯の支度を始め、19時半から20時に夕飯。夕飯後、子供たちも遊んでやり、21時ころにクレートに入らせ、その後は23時におしっこをさせまたクレートへ。

これが今までのタイムスケジュールでした。

昨日からは変えています。フリーにするのも昨日は控えています。今日は、ひも付きボールもやってみようかと思っています。最近、どうしてもハウスをしてくれないので、良くないことと知りつつ餌で釣っていました。

家族構成は、私、娘・長男・次男です。子供たちはフリーの時間にちょこっとボールを投げてやるくらいです。

アドバイスよろしくお願いします。


返答内容
前回、訓練所に出されたのは適切なご判断でした。

ご主人が亡くなって、お仕事も家事もある中で、子育てと問題犬のしつけは難しいです。

ですが、もう今後は出さないでください。犬を訓練所に出しても、ほとんど意味が無く、関係作りは出来ない・・ということがお分かりいただけたと思います。

犬は相手一人一人を見て感じて反応しているからです。犬が訓練士と関係作りをしてきても意味はほとんどないのです。むしろ家族とのギャップや矛盾を感じてしまうのです。

犬との関係作りが出来たならば、オテやフセなどは5分で覚えてしまいます。

大事なことは根本の関係作りなのです。それが出来たならば、問題行動の全ては同時に解決の方向に向かっていきます。

まず、ご家族皆さんでご理解ください。


ドッグトレーナーだって、私だって普通の人間です。医者だって警察官だって学校の先生だって、普通の人間なのです。日本人は権威性に弱いと言われますが、肩書など意味は無いんです。

大事なことは、自分でやるべき事を決めて自分を信じてやり続けることなんです。一貫して続けないと結果は出ません。

今日からは、ご家族皆さんがドッグトレーナーです。


さて、教材をお買いいただいてまだ2日くらいですね。急に結果は求めてはいけません。犬からしてみれば、矛盾だらけでパニックになっています。プロの訓練士が5か月かかっても現状なわけです。

でも、3日後に急に変化があるかもしれません。それは誰にも分かりません。

しかし、やらなければ崩れていく一方ですし、正しくやればそれに比例して良くなっていきます。正しくやればちゃんと結果は出ますので、あせらず急がず悲観せず、ご自分を信じて続けることです。

その鉄の意志は、必ず態度やしぐさになって自然に表現されます。犬はちゃんと感じ取っていきます。自信を失わないこと。「絶対に良くなる!やってみせる!」という決意を忘れないでください。その意識を持ち続けて犬と接し続ければ、必ず犬は根負けします。

犬は相手の精神性をクールに感じ取っています。

だから訓練所から帰ったばかりなのに、家族の言うことは素直に聞けないのです。犬の中で認められていないからです。

犬が認めるまでの根競べなのです。


犬にリードを付けて、歩き始めると犬がズボン・靴・リードを噛むのは、その人からコントロールされるのを嫌がっているからです。

まずは、リーダーウォークと主導型コング遊びをしばらく続けてください。

>少し良くなり、傍について歩くようになりました・・

ちゃんと進歩していますよ。たった二日で進歩するなんてすごいことですよ。そんなに急には完成しません。まだまだこれからも時間はかけてください。

家の中の環境も、そのまま続けてください。犬をかまえない時間帯は4点セットのケージ内。家族の誰かが見れる時、団らん時、遊びの時は、ケージから出してリードを着けて、それを持っていてください。(関係作りが出来たら着けなくてもいいです)

ただ単に犬にリードを着けて持っておけば良いという意味ではなく、目的は、犬の行動を全体的に自然に主導して関係作りをする事なんです。

遊びを主導する・・ヒアの指示を出したらリードで補助する・・・

リードはその名の通り、主導するための物です。しっかり意識を持ちましょう。犬が唸ったり噛んだり、明らかにコングを渡すのを拒否したりした場合は、そのままリーダーウォークに移行してください。ご自分の主導性と毅然さを「これでもか」と犬に示してください。

もう体もしっかりしている月齢ですし、骨格も丈夫な犬ですので、厳しい態度でしっかりリーダーウォークして大丈夫です。足を噛まれたりマウンティングされたらリードをガッチリ引いて離して、また淡々と続けてください。

それと、犬に噛まれることをビクビクしていると、それも犬が見抜いて見下したり緊張興奮が伝播して犬をあおってしまいます。

作業用の革手袋や、長袖長ズボン・スリッパで防備はしっかりしてください。革手袋はホームセンターで500円くらいで買えます。


チョークチェーンは止めましょう。普通の首輪に戻してください。(今無くて買わなければいけないようでしたら無理には言いません。)

オヤツもそうですが、表面的に調教して行動させてしまうと、犬との本当の関係が見えなくなってしまうんです。これが一番怖いんです。

だから「普段は大人しいのになぜか急に豹変して本気で噛みついてくる」という現象が起こります。関係作りが出来ていないのに、短絡的な調教法やグッズの効果で、良く見えてしまっていただけだからです。


散歩は最低でも30分はしましょう。行けない日は、30分お部屋で主導型のコング遊びです。有酸素運動はとても重要です。

健康面はもちろん、自律神経のバランスも調整しますので精神面も安定しやすいのです。心地良い疲れも、穏やかさにつながります。外の世界にも慣れますし、リーダーウォークでやれば関係作りも深まります。

表面的な満足だけでなく、根本を整えてあげないといけません。


続いてクレートトレーニングです。

もちろんゴハンはケージ内で食べさせるのと、コング遊びをケージ内まで延長してあげることです。

コング遊びの途中で、コングをケージ内に転がしてやるのです。飼い主さんも手を入れて誘ってあげてください。犬が入る時に、ハウスの指示音と指差しジェスチャーを関連付けながらポンポン褒めてあげます。

褒め方は大げさにしないでください。興奮をあおるだけで教えが入らないのと、犬によっては従属的に感じやすい態度なのです。リーダーらしく、堂々と静かに威厳を持って褒めます。指示音・ジェスチャー・犬の名前呼びも関連付けて、ポンポンポンして褒めます。

そして、そこで扉を閉めないで、またヒアで出して遊びを続けます。そしてまたコングをハウス内に転がしてケージ内で少し遊んでまた出して・・・

を何度も繰り返します。そして最後は無言で扉を閉めて、静かに去って終わりにします。犬の中で、楽しい記憶とケージ内が結びついていきますので、段々好きになっていきます。

そして大前提が主従関係です。それがあれば、犬は指示に従ってハウスに入って褒められれば嬉しいんです。教えられたことは素直に覚えたくなるんです。

それが逆ですと、どんなに素晴らしい教え方があったとしても、犬は聞きたいと思えないのです。叱られたら反発したくなるんです。褒められてもウザイと感じてしまうのです。

その関係を作るためにも、普段の何気ない接し方やしぐさや態度が全て影響しているのです。犬が感じ取って判断しているのです。

まずは皆さんで本書・Q&Aサイト・サポートメールで勉強していただいて、家族会議でルールを決めて、一貫して続けていくことです。

必ず良くなります。ご自分を信じて続けることです・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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