犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛み付きがひどく怖いトイプードルのしつけ

m1.png家の犬はかなり問題があり深刻に悩んでいます。トイプードルのオスで11月6日で2才になりました。家族構成は主人、私、息子(5ヶ月)の3人暮らしです。2年前の12月にまだ2ヶ月たたないときに、前に住んでいた狭いアパートで飼っていました。
 
去年の1月に私の実家のある北海道に主人と一緒にトイプードルを連れて帰ったときのことです。
実家には現在3才になるヨークシャーテリアのオスがいるんですが、ヨークシャーテリアはトイプードルを警戒するし、トイプードルは会うなり部屋のいたる所におしっこをしては唸っていました。5日間くらい滞在してる間、トイプードルはゲージに入れてヨークシャーテリアはもともと家の中でゲージレスだったためなるべく接触を避けていました。ヨークシャーテリアは人に対してよく吠える犬で、相手が犬だと自分からお尻のにおいをかがせたりする犬です。トイプードルは犬はダメで人が大好きで、人が近づいてくると自分から飛び跳ねて尻尾振って寄ってきます。
2匹はまったく正反対の性格なので合わなかったのかなと思います。
 
それから、東京に戻ってきてからというものトイプードルの様子がおかしくなりました。
まず、えさを食べているときに体を触ると唸るように・・・。それからしばらくして、シャワーのあとドライヤーをあてると怒って噛み付こうと威嚇してくるようになりました。もともと、散歩をまったく連れて行ってなかったので部屋の中で毎日放して遊ばせていたのですが、2ヶ月に1回のトリミングに連れて帰ってくると興奮してか、ゲージに入るなりすぐおしっこしてそのタイミングで怒って唸るのが毎回になりました。最初は家だけだったのですが、今年に入ってからトリミング先でもドライヤーのときは唸ってるみたいです。
 
今年の4月に出産のため、里帰りをして長い間家を空けていて7月に帰ってきたときには更にひどくなっていて、気に食わないことがあるとすぐに唸って噛み付こうとします。今は、怖くてまったくゲージから出していないため、ゲージの外に出ると怖いのかすぐ唸って警戒しているようです。シャワーはもちろん散歩にも行けないので、リーダーウォークなんてとてもできません。抱っこしたりするのも唸ります。
 
でも、息子も少しずつトイプードルに興味が出てきたのかずっと見ているので、「はいはい」ができるようになってトイプードルを触るようになるのが不安です。
 
何ヶ月か前にトレーナーさんに来ていただいて、まずは怖いものを克服しようということで、ドライヤーを床に置いてそのまわりにおやつを小さくちぎって、いっぱい周りに散りばめて慣れてきたら今度は、スイッチを入れて・・・というようにえさで釣ってしつけていくものでした。そのトレーナーさんはクリッカートレーニングを推奨しているそうですが、私にはほんとにそのやり方でトイプードルが変わってくれるのか不安でした。あきらかにトイプードルは唸れば私たちが嫌なことをしない、自分の方が上だ!!と思っていると思うので上下関係を修復するやり方ではないんじゃないかと疑問に思い、お試しの1回限りで止めてしまいました。
 
飼い主としてすごく無責任なのは承知ですが、もしトイプードルがこのまま治らなかったら手放そうかとも思ってしまいます。ほんとはトイプードルと息子が仲良く戯れる姿を見たいです。今、このガチャピンの状態で何から始めていいのか、マニュアル本どおり急にリーダーウォークや仰向け固めをしていいのか教えてください。家族4人で仲良く暮らしたいです。どうか助けてください。


m2.pngまず、あきらめたり落胆する必要は全然ありません。もっとヒドイ状態から良くなった例もたくさんあります。犬はただ犬の本能に従ってシンプルに生きています。シンプルに環境に順応します。だからこれから環境を変えてあげれば良いのです。
 
トイプードル君は2年間好きにやってきましたから、もちろん簡単には結果は出ませんし、反発もありますが、やり続ければそれに比例して良くなっていきます。そしてまた、その後甘やかせば問題行動を起こします。ただそれだけなんです。環境に応じて、相手に応じて犬は自分の対応を変えているだけなんです。
 
今回は覚悟を決めてやり続けてください。もし手放したりなどしたら一生後悔されます。また息子さんの子育ても同じことになってしまいます。
 
まずは本書とHPを何度も読み返し、犬の思考を理解してください。愛情を注ぐつもりの抱っこ・オヤツ・ナデナデ、その他の態度が犬にとっては従属的に見えてしまうのです。それが現実なのです。それを2年間トイプードル君は見てきて、いよいよ主従関係が逆転してしまった・・ということになります。
 
本書にも書きましたが、一気にアレコレ無理しようとせず、少しずつできることから始めましょう。まずは本書の態度しぐさ・・3日間完全無視できるでしょうか。もちろんゴハンもあげて散歩も行きますが、一切声をかけない・・目を合わせない・・。
 
その後リーダーウォークをします。リーダーウォーク=外の散歩ではありません。家にいて少しでも時間があれば、頻繁にリーダーウォークしてください。この時期になれば手袋をしても暑くないですね。噛みつきが怖かったら厚手の手袋をしてください。女性でも相手がトイプードルなら出来ます。大丈夫ですから勇気を出してやってみてください。最初からキレイにできるわけがないのです。上手くコントロールすることが目的ではありません。リーダーとしての毅然とした態度を見せることが目的です。
 
また初日から無理しなくて良いです。散歩をほとんどされていなかったということですので、首輪やリードにも慣れていないでしょう。最初は家の中で首輪とリードを付けて数分過ごしてみる・・そんなところから始めても良いです。ただし、やり始めたら少しずつ時間を増やし、最終的には暇さえあればリーダーウォーク・・そのくらいやり続けてください。かならず変化が出てきます。
 
変化が出てきたら、あお向けにチャレンジです。手袋をすれば怖くないはずです。ただし、これも無理せず最初はボール遊びの中で一瞬ひっくり返してみる・・そんなところから始めてください。そしてあお向けの時間を徐々に長くしていってください。急に無理しなくて良いです。ですがあきらめてはいけません。
 
トイプードル君にしてみたら、今までの自分の優位性が段々無くなっていくのは面白くないわけです。反発もあるでしょう。ですがこれは乗り越えなければいけない壁です。毅然とやり続けてください。
 
それとまずは奥様の前に、ご主人がやるべきです。ゴハン前にやると効果的です。勇気を出してやってみてください。最初からキレイにできたら誰も苦労していません。やりながら分かっていくことも多々あります。やり続けないと結果は出ません。技術的に難しいことは何もないのです。犬を理解し、主導性を意識し続けると必ず態度や行動にも表れてきます。それが最も大切なことです。
 
【その他】
 
外の散歩は絶対に!絶対に!行ってください。散歩の目的は運動だけではないのです。運動以上に大切なことが社会化であり、心地良い刺激を受けることによってストレスも解消します。他の犬や人を避けてはいけません。むしろ犬が良く通る散歩コースを探しましょう。またドッグランなども行ってください。最初から他の犬と接触はさせず、まずは距離を置いたところから見せて、「慣れ」を意識してください。社会化と言うと難しい言葉に聞こえますが、簡単に言えば「慣れ」です。犬を見かけたらスワレ・マテをさせ、一緒に座ってあげて首輪をガッチリつかんでください。そして吠えたら「ダメ」の合図と同時に口を手で軽く閉じます。吠えが止まりますので褒めます。また開放すると吠えるので、「ダメ」の合図と同時に・・・・この繰り返しです。やり続ければちゃんと慣れます。
 
(何日か慣れさせてから)吠えなくなってきたら、徐々に犬との距離を詰めて、慣れさせていき、最後は臭いを嗅がせるくらいに接近していきましょう。相手はなるべく落ち着きのある成犬が良いです。
 
とにかくまずは外の散歩をさせることです。社交性という刺激と運動量も今は少ないはずです。それも問題行動の一因でもあります。プードルはもともと優秀な狩猟犬です。本能のはけ口も作ってあげないといけません。その擬似行動を一緒にしてあげる事で、信頼関係も深まっていきます。
 
ですので家の中で放しての遊びですが、独り遊びをさせてはいけません。必ず共同作業にして飼い主が主導性を見せられる遊びにします。だからボール遊びが良いです。必ず投げる前に、スワレ・マテをしっかりさせ、出来たら褒めて投げる・・飼い主に十分注目させる・・これを大切にしてください。最初からボールを持ってこさせることは考えなくて良いです。
 
この犬への接し方のパターンは日常生活でも同じになります。意味無く見つめたりかまうのではなく、スワレでもオテでも何でも良いので、簡単なことをまず覚えさせ、指示し、出来たら褒める・・このパターンを犬との接し方の基本にするように意識してください。
 
以上、あまり一気にお話すると混乱すると思いますので、今日はこんなところにしておきます。まずは、「ワガママは通用しない」という態度を示す為に完全無視を数日続けてください。そして家の中でリーダーウォーク。手袋すれば怖くないです。それから外の散歩・・無理に遠くまで歩く必要はありません。最初は玄関先でも家の周りだけでも良いです。心地良い刺激を与えてください。それから主導性を意識した本書のボール遊び。変化が出てきたらあお向けに挑戦・・
 
まずはそこまでやってみてください。最初から無理しなくていいので、やり通すことです。息子さんの子育て、これからの人生における他の出来事・・必ずそれらにも影響してきます。くじけそうになったらまたメールしてください。
 
では、がんばって続けてください(^-^)

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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