犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで2歳でも直る見込みはあるんでしょうか?

質問内容我が家には2歳になるオスのトイプードルがいます。生後1ヶ月半のときにブリーダーさんから譲っていただきました。

我が家は主人と私の2人暮らし(共に30歳)で、主人も私も実家では犬を飼っていました。

共働きなので、朝9時~19時までの10時間はゲージの中でお留守番させていました。散歩は朝20分、夜帰ってきて30分くらい行きます。10時間も1人でお留守番させてしまってる負い目から、夜帰ってきてからはかなり甘やかしていたと思います。トイレもトイレシートの上ではしないので、散歩のとき以外は家の中でオムツしています。

また小さいときから物を噛む癖が強く、壁紙や絨毯、テーブルの脚や布団はボロボロ、充電器のコードなども噛んでしまったこともあります。

きっと留守番させていることでストレスが溜まってるからだと思い、休みの日はいつも構ってあげれないぶんいつも以上に構ってしまっていました。

また、生後3ヶ月くらいまでは夜中私たちが寝るときはゲージに入れていたんですが、毎日毎日深夜まで鳴き続けるため、近所迷惑になると思い、それからは部屋で一緒に寝ています。

そしてずっと頭を悩ませている最大の問題が、生後6ヶ月のときに初めて主人を噛みました。たしか普通に頭を撫でていたら急に唸りだしていきなり噛みつかれたんだと思います。それから月に2~3回の頻度で私や主人に噛みつくようになりました。皮がめくれて出血がとまらないくらい深く噛みます。

たまに噛まれたあとにお酢入りスプレーを使ったりしましたが、すぐに慣れてしまって効き目はありませんでした。体罰などは一度もしたことはありません。

この話を聞いた主人の両親が、うちでしばらく預かってあげると言ってくださり、生後10ヶ月のときから今まで何回かに分けて(何ヶ月か預かってもらって、また何ヶ月かうちに帰ってくるという生活)預かってくれたんですが、その間も何回かお父さんに噛みついています。

だいたいは目の周りを触ったりしたときに噛まれたみたいですが、ときにはお父さんがお風呂から上がってきただけで飛びかかることもあるそうです。

お母さんは専業主婦なのでずっと家にいるので、今までみたいなお留守番のストレスはないはずなのに...

さすがのお父さんお母さんも、これ以上はうちでは預かれないと言われ、私が1月で仕事をやめて今日からずっと家にいる生活になりました。

また、実家にいるときにトレーナーさんに来てもらって指導を受けた際に、とりあえず構いすぎて立場が逆転してしまっているから、基本は無視、構わない、クリッカーを使ったしつけ、おもちゃで遊んで~と言ってきてもこっちが主導権を握って、こっちがボールを投げるまで要求を聞かないなど言われたみたいで、これから徹底してしつけし直すつもりですが、もうすぐ2歳でも直る見込みはあるんでしょうか?

ちなみに唸ったり噛むのは私と主人、主人の両親にだけで、外にいるときやトリミング、病院、友達が家に遊びに来ているときは1度もそのようなことはないです。

もう精神的に参っています。どうしたらいいでしょうか。

 

返答内容

まったく悲観されることはありません。

トイプードル君の素性が悪いのではないのです。相手の人によって犬の反応が違っているだけですので、家族が変わればトイプードル君も変わっていきます。

犬はただシンプルに、犬の本能に従って感じて判断して行動しているだけなのです。何歳になっても同じです。

ただし、もちろん簡単ではありません。2年もの長い月日で染み付いた習慣や家族との関係もありますので、簡単ではありませんが、家族が接し方を変えて一貫すれば、必ず進展していきます。でも根気は要ります。あせらず急がず求めず、淡々と続けていかなければいけませんし、その前にご夫婦の意識設定も変えていただかなければいけません。

それを変えないで、表面的な手法だけを上塗りしても、犬のしつけは絶対に成功しません。それだけは忘れないでください。

もちろん、お子様がいらっしゃらないご夫婦が犬を飼ったら、溺愛したくなるのは自然な気持ちです。留守番が長いのも同じです。ですが、犬にはその事情を理解して気遣ってくれる知能はありません。犬の本能でクールに判断して、主従関係を誤解するだけです。


まず、お話したようにあせってはいけません。激変しても犬は理解できずパニックになるだけです。まずは飼い主さんの意識設定を変えることです。それだけでも自然と接し方が変わっていきます。気が付いたら一貫できています。それが大事なのです。

一貫してブレないで続けることで、自分の良い癖にもなりますし、犬は感じ取って認めるようになっていきます。

放し飼いに近いようですが、少しずつケージに居させるようにしてください。これも激変しないことです。

今日は5分×3回、明日は4回、明後日は10分×4回・・・というように、優しいレベルから少しずつ難易度を上げていきましょう。

接し方についても、いきなり手法を強引にやって終わり・・ではなく、まずは飼い主さんの意識改革からくる何気ない接し方の変化、次は犬にリードを付けて飼い主さんが持って主導型のコング遊び、次は遊びの中でリーダーウォークの取り入れ、変化が出てきたら仰向けを一瞬やってみる、革手袋をして犬の顔を触ってみる・・・

というふうに、これも段階を作ってあげましょう。

団らんの時も放し飼いではなく、犬にリードを付けてそれを持って過ごしてください。吠えたり噛んだりも制御できますし、現行犯ですぐリーダーウォークに移行できたり、リードをチョンと引き上げて指示音で注意したりもできます。電気コードのかじりなんかも危険です。犬が感電ショック死したり、火事になるケースもあります。


当面の問題は、吠えです。

かまってもらえる時間、自由にウロウロ出来る時間が少なくなっていきますので、ケージ内で「出せ出せ」の要求吠えが出るでしょう。

その時は、2つやってください。

時間がある時はリーダーウォークです。噛まれても平気でいれるように、作業用の革手袋をしておいてください。ホームセンターで500円くらいで買えます。

そして、声掛けも目も合せないで、厳しい態度でお部屋でリーダーウォークをしてください。

その中で「シ!・・シ!・・」という指示音を関連付けながらやるのも良いです。

もう一つは、来客時など忙しい時は、ケージに厚手の布掛けをして目隠しをします。毛布などを掛けて、出来るだけ暗くします。落ち着く犬が多いです。

しばらく静かにできたら数センチ開ける・・また静かにできたらもう数センチ開ける・・・というふうに、徐々に慣らしていくと良いです。


>お母さんは専業主婦なのでずっと家にいるので、お留守番のストレスはないはずなのに...

↑「家族がいるからストレスはないはず」は違います。原因は主従関係が崩れているからです。だから要求がある時は吠えますし、気に入らない瞬間は噛みつきます。

犬は留守番できる動物です。本来は、動物は必要な時外は落ち着いてマッタリして体力を温存するものです。

もちろん、運動や遊びはメリハリを持って、飼い主さん主導でしっかりやってください。最低、散歩30分、遊び30分です。できればお散歩を1時間くらいがベストです。


>トレーナーさんに来てもらって指導を受けた・・

↑これは必要ありません。お話したように、犬は相手一人一人を見て感じて反応しています。トレーナーさんと関係作りをしても意味がありません。家族が変わらないと、また段々崩れていって元に戻ります。あるいはギャップを感じてよけいにひどくなります。

お金と時間の無駄ですので、ドッグトレーナーさん・訓練所・犬のしつけ教室は止めましょう。


正しくやり続ければちゃんと犬は変わっていけますので、絶対にあきらめないことです。悲観もされなくて良いです。

落ち着いて、自信を持って、信念を持って毅然と続けることです。

まずは飼い主さんが変わることが先です。それが無いと犬は絶対に変わりません。ご夫婦で、本書・Q&Aサイト・このメールを熟読していただいて、犬の特性を知り意識設定を深めてください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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