犬のしつけがQ&Aで分かる!

物に執着が強く咥えて逃げる・人や犬に興奮する犬のしつけ

質問内容
はじめて、質問させていただきます。外国に住んでいます。

先ずは、骨や犬ガムをあげるとそれに執着心がでてしまって、取り上げようとするとうなり声をあげて、嫌がることが多いです。最近は手でもっていてかませる程度にしています。私達が手で持っていると大丈夫ですが、一度犬に渡してしまうと、とるときかなり嫌がっているのが分かります。噛む物をあげないとよくないと思うのですが、何か良い方法はありますでしょうか?

また、噛んではいけないものを噛んでいる時、NOというと走って逃げようとします。裏庭なので、いいですが、ある時は、庭の戸が開いてしまって、私がNOというといきなり走って逃げていってしまいました。直ぐそこにいた近所の男性のところに行って、伏せをしてその男性の手をなめていたので、直ぐに捕まえることができましたが、NOといって走り出すのは困りました。

また、新しい人や他の犬を見ると遊びたいらしく、非常に興奮してしまいます。攻撃的にはならないのですが、いてもたってのいられない様子です。新しい人たちにも落ち着いて慣れさせるための良い方法は何かありますでしょうか?
アドバイスお待ちしております。

・犬種:アキタ犬、年齢13ヶ月、メス、飼いはじめてから11ヶ月です。ブリーダーから2ヶ月の時、受け取りました。飼い始めた動機は、子供たちにとって犬を育てたり、遊んだりするのは、良い経験になると思ったからです。

・家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間

私、妻共に40代、子供は三人で10代前半以下です。

・過去の接し方と、一日の流れ

家に連れてきてからは犬小屋をつくり外飼いが中心でした。数ヶ月間は基本的に裏庭で放し飼いでした。フェンスで囲われた裏で、窓越しにリビングルームなので、私達が見える状況です。フェンスは鉄製のアミ状のフェンスなので、隣近所の人から裏庭は見える環境です。

以前は甘噛みの癖がひどかったのですが、マズルを押さえて訓練すると、6ヶ月ぐらいからはなくなりました。

また、最近は遊ぶ時以外は犬小屋のところにつないであります。今まで夏で暑かったので、夜寝る時には家の中に置いたクレート(添付写真)に入れて、朝になると、おしっこをさせるために、裏庭にしばらく放します。

私が時間がある時は、朝、20分ぐらい、裏庭でボールを投げて拾ってこさせたりして、遊そばしてから、朝ごはんを上げます。

その後は外の小屋につなぎ、午後3時くらいに長女が学校から帰ってくると、長女が散歩30分ぐらいして、ボール投げなどをして遊ばせます。私や子どもたちが夜ご飯を与え、私達が寝る前におしっこをさせてから、家の中のクレートに寝かせるというのが1日のパターンです。

【ポイント】

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

過去はできるだけ、スキンシップや遊んだ方が言いと思い、いつとは決めていませんでしたが、できるだけ、私や子供たちが遊んでいました。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

過去は、犬の訓練コースでならってきたように、トリートをあげならが、おすわり、ふせ、待て、見なさい、来なさい、おあずけ(leave it)などをできるようにしました。初め噛み癖がひどかったので、口先をたたいたりして、しかったりもよくしました。

③過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?

直ぐに大きくなったので、抱っこはしていません。おやつは妻や子供たちがよく上げていました。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

散歩は私が朝時間ある時は20-30分はしたり、または、長女や子供達が、学校から帰ってから20-30分していました。

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

1日の流れは上述の通りです。

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)

犬小屋が置いて場所はコンクリートですが、裏庭は全部芝生になっています。庭は鉄製の網フェンスで囲われています。


返答内容
今回のアキタちゃんは、とても素性が良い子ですので、心配されないでお話するやり方でコツコツ続けてください。

威嚇や本気で噛みつくなどの深刻な問題もありませんし、社交的で良い子です。

好きな物を独占したくなるのは自然なことですし、まだ幼く、主従関係も出来ていませんので、これからです。


さて骨や犬ガムへの執着ですが、最初は執着心が弱い物から練習していくと良いです。いきなり興奮が強い物で練習しようとしてもこじれるだけですので、優しいレベルから始めましょう。

例えば、コングや木の枝などです。

準備は、作業用の革手袋をすることと、ご自分の腰にリードを一周しばってそこに犬を付けてください。(後でリーダーウォークに移行するためと、犬を逃がさないため)

まず物を犬に噛ませます。コングでも木の枝でも、犬の口を手で開けて物を置いてくわえさせ、そこで「キャッチ」や「ボール」などの音を出しながら褒めてください。

そうしたら、今度はそれを手で取り出しながら、もう片方の手の平に乗せて見せながら「出せ」の音で褒めてください。

そしてまた、わざと犬にくわえさせて音で褒めて、また取り出しながら音で褒めます。

(褒め方は、静かに堂々と犬の肩付近をポンポンポンして褒めます。犬の名前も混ぜて言っても良いです。)

ということで、まずは執着心が強くない対象物で練習しましょう。

その中で、もし犬が唸って放そうとしなかったら、その場ですぐに厳しい態度でリーダーウォークしてください。そのために最初にリードを付けておくのです。また、犬が物をくわえたまま逃げることを防止します。

1分くらいリーダーウォークをしてから、また「くわえさせて褒める→出させて褒める」の繰り返しです。

リーダーウォークをするのは、犬に主従関係を意識させて、物の独占などワガママを許さない意志を示すためです。

それを続けていくと、いつか、「出せ」の指示音と手の平を見せるジェスチャーによって、犬の方からくわえた物を差し出すようになります。もちろん、その時は褒めます。

そうなるまで、執着心が強くない対象物でコツコツ練習しましょう。

それができるようになったら、いよいよ執着心が強いガムなどで同じように練習しましょう。


>噛んではいけないものをかんでいる時、NOというと・・

↑犬に物事を教える時は、なるべく否定形を使わないことです。

例えば、犬が人を噛む瞬間などは、現行犯なのと犬を離す必要がありますので、NOで首輪やリードをガツンと引き上げたり口をつかんで叱っても良いですが、物を噛んでいる時に叱っても逃げられるだけで、かえって収集がつかくなります。

また、物を噛もうとした瞬間ではなく少し前から噛んでいた場合は、そこで叱られても犬には意味がよく理解できないのです。噛もうとしたその瞬間でないと犬には理解しにくいのです。


ですので、否定形よりもポジティブな行動をさせる指示形の方が良いです。

例えば、犬が何か物を噛んでいる場面を見かけたら、NOと叫ぶのをガマンし一呼吸おいて、「マテ→コイ→スワレ→ダセ」で回収して褒めていただきたいのです。

そのためにも、普段コングやボール遊びを主導型にして、主従関係を作りながら動作の練習を習慣化していただきたいのです。

リードをご自分の腰に1周縛って、そこに犬を付けて狭い範囲で遊べば、物をくわえて逃げられることもなく、遊びを主導できます。

そして、先ほどお話した「キャッチ→ダセ」の練習法で、より実践的に教えてください。


>新しい人や他の犬を見ると遊びたいらしく、非常に興奮・・

↑これはむしろ良い事です。自然な反応ですし、この月齢ではこういうレベルです。

練習法としては、散歩の時を活用しましょう。お庭でも良いです。

まずは、いきなり人や犬に間近で対面させないことです。刺激が強すぎてパニックにならないように、最初は遠目からたくさん見せてください。

そこで首輪をしっかりつかんでスワレ・マテをさせ褒めます。

指示だけでスワレができるようになったら、少しだけその人や犬に近づきます。そこでも同じようにスワレ・マテを練習してください。その距離でも指示だけでスワレができるようになったら、また少しだけその人や犬に近づき練習します・・・

これを繰り返してください。

また、人が近付いてきた場合は、ちょっと触るのを待っていただいて、興奮している犬を少し強引でも首輪を両手でつかみ犬をおんぶするような形でがっちりとスワレの型を取らせてください。

その状態で、相手の方に褒めてもらいましょう。

それを繰り返していくと、「良い子にできたら褒めてもらえる、遊んでもらえる」ということを犬が徐々に理解していきます。

まずは、なんとか落ち着いてできる距離を探ることです。遠目から始めることです。

まだ幼くて経験不足ですので、あせらないで続けて、犬に経験をたくさん積ませることです。


さて最後に環境ですが、犬を鎖で直接つなぐのは良くありません。

日本と違って道路やお隣さんとの距離はそれなりにあるのでまだ良いのですが、それでもストレスは強いです。

これは、「鎖を長くして行動範囲を広げれば良い」ということではなく、犬からしてみると「敵は簡単に侵入できる・でも自分は逃げられない」という状況なのです。これが強いストレスになります。

ですので、もし経済的にできるならば、犬小屋の周りを金属柵で囲って、鎖で繋ぐのを止めていただきたいのです。

それと、外と家の中を行ったり来たりも良くありません。

犬の居場所は一か所に固定して、安心させてあげてください。

また、今後どちらか気に入った場所が決まると、反対の場所に居る時に「家に入れてくれ!」などの要求吠えをするようになってしまいます。

外飼いとお決めになられたならば、そこに固定して犬を家の中には入れないことです。

私個人的には、家の中で飼われることをおすすめいたします。犬の外飼いは心身ともにストレスが激しいです。寿命が圧倒的に短くなります。


では今日は以上です。ご家族皆さんで、必ず本書と並行してQ&Aサイトも熟読していただいて、接し方しつけ方のルールを家族会議で決めてください。そして、続けながら指摘し合って修正していきましょう。

それでは、これから頑張って続けてください(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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