犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでサークルやケージから出す食事のタイミング

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犬のしつけでアドバイスいただきたいことがあり、メールお送りしています。
 
念願のトイプードルを家族に迎えましたが、吠える、うなる、噛む・・どうにもならず、本をたくさん買い、色々試したものの(吠えた時、うなる時の無視、大きな音を立てる、サークルを叩く、怒る、布をかけて見えなくする、噛む時の指をのどに突っ込む、口を押さえる、ダメと言ってから無視してサークルに戻す、首の根っこ(背中側)を噛み返す、目を見て怒る等...)あまり効果が見えず...

おやつをご褒美にして行うと多くの本には書いてありましたが、まだおやつをあげてはいけない月齢で(現在2カ月強です)。しかし、しつけは早くからとどの本にも書いてあるし...どうしたらいいの?!と悩み、そもそもフードで釣ってしつけをすることに対して私も主人も疑問を抱いておりましたので、どうにも八方ふさがりの状態に陥っていました。
 
そこで堀川様のHPを発見し、なんと!何も使わなくても意志疎通ができるようになるんじゃないか!と涙が出そうになった次第です。本当にこの本にめぐりあえてよかったと思っています。
 
早速ですが、まず必要となる情報をお知らせいたします。
 
・問題の内容 サークルの外に出すタイミング、食事を与えるタイミングについて
・愛犬の犬種 トイプードル
・年齢 現在2ヶ月と少し
・性別 男の子
・ご家族全員の年齢、性別  主人(男)34歳  私(女)32歳  息子(男)3歳
・一日の愛犬との同居時間  だいたい午後3時間~5時間くらい家を空けます(息子の幼児教室、通院など)が、それ以外は一緒にいます。主人は朝6時半に家を出て、夜は9時頃帰ります。

・過去の接し方と、一日の流れ
基本的には、かわいいかわいいで接していました。
まず主人が犬のしつけをそれほど必要と考えておらず、人間の子どもに接するようにしていきたいと言っていました。私は家族といえども人間と犬との違いはあり、犬には犬社会で常識であるやり方で色々教えていくことが必要だと思っていました。

このため、前もって買っていた本に基づいて、吠えたら無視、鳴いたら無視、吠えている時はサークルから出さないを徹底していましたが、主人が「昼間お前があまり構ってやらないからストレスで吠えるんだ」と言い、家に帰って来てからサークルから出す、ということを数日繰り返していました。

このため、犬は主人が帰ってくるとひどく鳴く、吠える、というようになってしまいました。そして主人は犬と対等に接すると言い、自分が寝そべるようにして顔をなめさせたり、逆に顔をすりつけたりしていました。そうしているうちに犬は、主人に対しては遠慮がなくなったように噛んだり吠えたりしていたため、ある日主人はこのままだとなめられている気がすると気づき、犬のしつけをしなければと決意してくれたのです。
 
うちは息子に持病があり定期的に入院治療が必要なため、元旦に迎えたばかりなのですが、18日から3泊4日でペットショップに預かっていただきました。入院中は息子の病院につきっきりになるため犬の世話ができず、まだ予防接種が終わっていないのでペットホテルは利用できないので、購入時に預かってもらえるようにお願いしていたのです。

預かっていただいた期間が終わってから、主人と新たに心を入れ替えて、しっかり犬のしつけをしようと決めました。
 
現在の一日の流れですが、朝は主人が早くに出かけるので主人は犬に接していません。私が起きた時に毛布を外し(あまりに夜鳴く、吠えるときはサークルに毛布をかけています。おとなしい日はかけていません)、以前はその場でうんちを片付けていましたが(まだ食糞するので...)今はとりあえず無視しています。

私が着替え、息子が着替え、一息ついてからうんちを片付け、トイレシートをかえています。息子と私が朝食をとってから犬にごはんをあげています。このご飯の前に少しサークルから出して(必ず首輪とリードをつけるようにしました)、少し自由にさせています。

昼食は私たちがとったあとに、またごはんをあげ(長時間外出する時はコングに餌を詰めていくこともあります。帰ってきた時はからっぽになっています)、その後落ち着いている時にサークル外に出すようにしています。

夜も私たちが食べてからあげています。これは徹底しているつもりです。午後はだいたい毎日出かける用事があるので湯たんぽを準備してクレート内に設置して屋根(ネット上のものです)をかぶせて、声はかけずに知らん顔して出かけます(でも玄関を出る私たちを見ているのでわかっているのかもしれないと思っています)。

帰ってきた時はまた知らん顔して帰ってきますが、存在を確認した途端にきゅんきゅん鳴き出します。実は私も主人も車いすを使用している障害者です。歩くことはできません。家の中でも車いすを使っています。

息子は私と同じ障害を持って産まれてきましたが、歩けています。この病気の治療のために定期入院をしています。今一番困っているのは、サークルの外に出してやるタイミングです。今まで、私も主人も車いすからリビングのじゅうたんの上に降りた状態で犬をサークルから出していたので、例えば私がじゅうたんに降りるだけでずっと鳴き続けます。今日は1時間以上鳴いていました。もちろん無視しましたが...近所の目も気になります...。

主人は鳴きやんだら出してやればいい、ストレスがたまるだろうからと言っていますが、私は鳴いたら鳴いていた時間分静かにしていたら出す、としたほうがいいのではと考えています。

精一杯鳴いた→少し休んでみた→出してもらえた、と学習するのではと思うのですが、いかがでしょうか?
また、鳴きもせず吠えもせずの時に出してやろうと近寄ると、大興奮でまた鳴きはじめますが、この時は出していいのでしょうか?

自由に出してあげる時間も必要だとペットショップの方にも言われていますが、どういうタイミングで出したらいいのかわかりません。最近では車いすに乗っていても、私がリビングに入っただけで鳴き続けたりもします。例えば鳴き続ける吠え続ける時は出さないを徹底し、それが2日3日にわたってもいいのでしょうか。それはかわいそうですか...?
 
また、食事を与えるタイミングですが、食事を準備し始めると音やにおいでわかるのか(犬から見えない位置でやっているのですが)サークル内のいつもお皿を置く位置でスタンバイして、ずっときゅうきゅう鳴き続けています。

これでは「ごはんちょうだい」という欲求にこちらが応えてしまっているのではと思いますが、しかしあげないわけにもいかないし...と悩んでいます。このまま、きゅうきゅう言っていてもあげていいのでしょうか?
 
甘噛みについては、他の犬のしつけ本に書いてあった、噛んだ時にのどの奥に指を入れるということを数回やったら少し軽減したように感じています。また、昨日堀川様の本を読んでから、車いすに乗った状態で犬を出し、リーダーウォークをやってみようと試みています。

しかし家が狭い&車いすなので、犬をひいてしまいそうで怖いです...。出している間は遊びというより、私たちの顔をなめる、服をひっぱることに夢中で、おもちゃで遊ぼうとしても全く見向きもしません。車いすに乗っている状態で出すと、足元に来てきゅうきゅうと言い続けています。どうしたもんか...と悩みばかりです。
 
今は涙やけを拭くときと、ブラッシングをする時だけは車いすのまま膝に抱っこをします。その際にあおむけをやっています(これは以前ペットショップで聞いたので、家に迎えた当初からやっています)。

一度、サークル内の毛布の下に敷いていた新聞紙を食べた時にひどく怒ったところ歯をむいて吠えはじめたので、首根っこ(背中側)を抑え込み、動けない状態にしたらきゃんと鳴いておとなしくなり、その後家の中で伏せった状態でおとなしくしていました。また、あまりに鳴き続け吠え続けた夜にサークルをバンと叩いたところ、音が怖くなったのかしばらくは少しの音でもおびえ、私自身を恐れるようになってしまい、後悔の念にかられました。

今はとにかく私の動きをちくいち見ている感じで、私が近づくと鳴くという感じです。完全に私を下と見ていると思うのですが...また、3歳の息子に向かっても無意味に吠えます。息子にはとにかく無視をすることと、触らないことをお願いしています。3歳ながら結構頑張っているほうだと思います。
 
まだ予防接種は終わっていませんので散歩には出していません。

サークル内ですが、トイレ、クレート(以前までペットベッドを置いていましたが、クレートに変えてそれをハウスにしています)、床には段ボールとその上に息子の小さい時の毛布を敷いています。
 
長々と、しかも支離滅裂で申し訳ありません。どうにか犬と、家族になりたいと思っています。アドバイスいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


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お写真も拝見いたしました。まず物理的な環境はバッチリです。ケージ内にクレートハウス、トイレ、水ボトルの4点セットでOKです。
 
さて犬のしつけのお話になりますが、まず現状でどうしてもご理解いただきたいことがあります。
 
まず、生後数カ月の犬には何も求めない・・期待しないことです(笑い)
今は経験も知能もまったく無い、本能の感覚のまま生きる小さな猛獣状態です(笑い)
 
犬に対して、いろんな良いイメージや期待をお持ちになられたかもしれませんが、忘れてください。犬という動物の知能の低さ・・また、生後数カ月のレベルの低さ・・今の現状を当たり前のこととして、受け入れて理解してあげてください。
 
かと言って犬のしつけをしなくていい、という事ではなく、6ヶ月までは特に一番大事な時期です。犬のしつけをやり続けなければいけないのですが、結果が直ぐに出ない時期でもあるのです。それを受け入れられないと、感情的に怒って体罰を加えたり、色んなしつけ手法に手を出し混乱し、悪循環に陥るという最悪のパターンになってしまいます。
 
正しい方法で接し続ければ、必ず結果は出ますからあせらないで大丈夫です(^-^) 
 
さて個別の内容を見ていきましょう。
 
かわいい!かわいい!で、オヤツ・抱っこ・ナデナデ・声かけをされてきたと思います。目が開くまでやヨチヨチ歩きの乳幼児には、ナデナデが親犬に舐められる感覚で情緒も安定するのですが、犬の2・3ヶ月はもう赤ちゃんではありません。人間の赤ちゃんの感覚で接してはいけません。幼稚園や小学校に入り社会のルールを学んでいく・・そんな時期です。
 
犬の成犬になってからの舐める行為は、下位が上位やリーダーに挨拶する行為なのです。人間のナデナデはそれに近くなってしまうのです。態度そのものも従属的に映ってしまいます。それが犬の本能です。まだ子犬ですが、徐々にそういう視点で見るようになっています。
 
(また、犬の思考には平等や対等という概念は存在しません。自分が従うべき相手か、相手が従うべきかどちらかを感覚で判断します)。
 
しかし、犬をかまうことそのものが悪いのではありません。無視だけではスキンシップもとれませんし、物事を覚える事も出来ません。接し方の問題なのです。意味無くかまうから従属的になってしまいます。
 
主従関係が保てる・・あるいは作れる接し方の基本は、必ず「指示を出す→犬が従う→犬を褒める」。この要素を加えれば良いのです。ですので、それがリーダーウォーク、あお向け、ヒモ付ボール遊びなら一番良いのですが、ちょっと触りたい・・かまいたいと思ったときは、マテでもオテでもスワレでも何でも良いですから、必ず指示を出し従ったら褒める・・これをルールにすると良いです。
 
もしできなければ型と音で体現させて褒める・・ということを癖にしましょう。まずは簡単にできることから、一つずつ確実に覚えさせます。

ヒモ付ボール遊びを取り入れてください。これならご障害をお持ちでも、自分はほとんど動かずに出来ます。自由運動、ストレス発散、狩猟本能のはけ口、主導することによる主従関係の構築・・この遊びながらのしつけは良い要素がたくさんあります。
 
必ずスワレ・マテをさせ、できたら褒めて投げる・・できなかったら型をとらせて褒めて投げる・・という癖をつけると良いです。ただし、生後2ヶ月は骨格がまだ弱いので、広い場所での全力疾走はさせないでください。滑りやすいフローリングの床もNGです。
 
同じ理由で、リーダーウォークも激しく切り返さないようにご注意ください。車椅子ということで、必然的に動きが制限されるので激しい動きにはならないと思いますので、それで良いのです。私の考えるリーダーウォークは、犬の体のコントロールが目的ではありません。犬に「ワガママは通用しない」ということを体現させ、飼い主の毅然とした態度を示すことを目的にしています。
 
それを何度も何度も毎日毎日やり続けるから、犬は根負けします。「この人にはワガママは通用しない」、と犬が認めるまでやり続けます。ですので、無理に切り返したりする必要はなく、リードをしっかりつかみ、ジッと止まって反対を見て無視・・それでも良いのです。十分伝わります。
 
ただし、本当に毅然な鉄の意志を持っていないと、犬は見透かします。知能は低いですが、群生動物ならではの感覚を本能で持っています。
 
それと、子犬は始めて見る触れる首輪やリードを嫌がる場合が多いです。最初だけは首輪もリードも、付ける前に臭いを嗅がせたり見せたりして2、3日かけて慣れさせたほうがよりスムーズです。首輪と迷子札は付けたら、もう外さないでください。最初は嫌がりますが、すぐ慣れます。
 
犬をケージから出すタイミングですが、
 
>主人は鳴きやんだら出してやればいい
 
↑これで良いです。本書のとおり、犬には叱るにしても褒めるにしても現行犯です。その行為をしている瞬間に教えないと理解できません。「鳴いてる吠えてる時は出れない、止めたら出れる褒められる」ということを、繰り返し体現することで学習していきます。
 
また目の前で吠え鳴きがあったら、型と音でも教えます。「ダメ!シッ!」と伝え、口を軽く手で閉じます。当然吠えは止まりますので、「○○良い子!」で褒めます。甘噛みも同じ方法で教えます。(悪い型が止まって良い型が出来た)。
↓こういう時はその方法で教えてください。
>例えば私がじゅうたんに降りるだけでずっと鳴き続け・・
 
犬への褒め方はナデナデはNGです。頭や体をポンポンポンと軽くたたいて毅然と褒めます。かん高い声で高揚して大げさに褒めるのは従属的に映ります。
 
犬をケージから出すタイミングは、要求吠えに応えなければいつでも良いです。「ダメ!シッ!」と毅然と伝え、吠えを数秒くらい止めたら、「○○良い子!」で褒めて出します。ただしそれだけですと、「吠えた後に止めると出してもらえる」と学習してしまうので、いったんケージに入れた後、一分くらい様子を見てその間吠えていなければ、また、「○○良い子!」で褒めて出すと良いです。「吠えなければ出してもらえる」ということを理解していきます。何度も何度も反復してください。
 
>例えば鳴き続ける吠え続ける時は出さないを徹底し、それが2日3日にわたってもいいのでしょうか・・
 
↑この時は型と音で教えて、出してあげれば良いです。
 
>自由に出してあげる時間も必要だとペットショップの方にも・・
 
↑犬のしつけが浸透するまでは、リードを付ける癖を持たれると良いです。暴走も制御できますし、悪いことは現行犯で叱れます。トイレへの誘導もできます。野放しの自由はおすすめできません。もちろん、犬のしつけが浸透して主従関係も深まったら問題ないです。私だったら、その時間に主導型のボール遊びをします。ある程度動いたらケージ内でゆっくり休ませます。
 
>サークル内のいつもお皿を置く位置でスタンバイしてずっときゅうきゅう鳴き続けています
 
↑食事前(準備したあと)に、いくつかのしつけを行うとより主従関係が明確になります。あお向けやリーダーウォーク、スワレ・マテを入念にやり、鳴きを止めたら褒めてゴハン・・
 
吠えたり鳴きが止まらなかったら、先ほどの型と音での体現で教えます。出来たら褒めてゴハン・・。吠えてる間は絶対にゴハンをあげてはいけません。
 
>足元に来てきゅうきゅうと言い続けています・・
 
↑こういう時はそれを利用すると良いです。「コイ」、「ツイテ」の声かけをして褒めます。そして車椅子を少しバックさせて、コイ・・ツイテ・・
 
追ってくると思いますので、コイ・・ツイテの声かけを加えて褒めます。また、鳴きは前述の型と音で教えます。犬が同じ行為をしていて、ある時は叱る、ある時は野放し・・一貫性がないと犬は理解できません。
 
他の教えでも同じです。犬は自然に座ったりフセをしていることが多いので、それを利用して型を固定して音を関連付けて褒めます。チャンスは全て利用しましょう。
 
>甘噛みについては、噛んだ時にのどの奥に指を入れる・・
 
↑強い嫌悪刺激を与えないように気を付けましょう。人間の手の動きに過敏になり、防衛本能で噛み付きが強化されてしまいます。
 
>サークルをバンと叩いたところ、音が怖くなったのかしばらくは・・
 
↑体罰同様、このような威嚇行為も犬は防衛本能でシンプルに反応してきますので、止めましょう。
 
>膝に抱っこをします。
 
↑抱っこ、という形はなるべく避けましょう。犬は相手の体の上に自分の顔や足、体(マウンティング)を乗せることで優位性を示し、また感じます。その形を人間が作るのは避けなければいけません。
 
グルーミングもそうですし、スワレやマテなどの教えにも使えますが、移動式の作業台を買われると良いです。犬は高くて狭い場所が苦手です。怖いのでジッとして動かなくなります。自力で降りれるような低いものはNGです。かといって高すぎると車椅子から届かなくなります。高さは1メートルくらいが良いでしょう。幅は犬の体長くらいの狭いほうが良いです。底にローラーが付いていて移動が容易なモノが良いでしょう。
 
私のご紹介したサイトで「犬 作業台」や「ペット グルーミング台」などで検索すると出ると思います。
 
それからもう直ぐ獣医さんから、お散歩デビューのGOサインが出ると思います。車椅子で大変と思いますが、毎日30分以上は外の世界を見せるようにしてください。もちろん天気が荒れている日や、ご自身の体調が悪い日は結構です。
 
できるだけ多くの人、犬や他の動物、車、自転車などなど、色んなものを見せ会わせ、社会化を促進してください。犬のしつけそのものも、もちろんそうですが、生後6ヶ月までが社会化の吸収力が高い非常に重要な時期です。結果は簡単に出ませんが、やり続けなければいけないガマンの時期です。
 
では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
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