犬のしつけがQ&Aで分かる!

愛犬が亡くなった時の心の整理・次に子犬を飼うタイミング・健康な子犬の見分け方

質問内容
堀川様、ご無沙汰しています。久しぶりのメールで、悲しい報告をすることになりました。

先日、うちの子(チワワ)が、肺炎で亡くなりました。

5ケ月で我が家にきて、たった、1歳3ケ月でお別れすることになるなんて想像していなかったので、かなりのショックを受けました。

昨年末(生後10ケ月)、体重が減少したので、病院で診てもらった際、しっかり検査をしてもらっていれば、こんなことにはならなかったのでは。と悔やまれます。

その後、1歳の誕生日の頃に健康診断をして、その時に白血球の値が異常に高く、その他の血液検査も数値が悪く、またレントゲン検査で肺が白かったので、肺炎ではないかということでした。

それからは、毎週のように、注射や検査などで痛い思いをさせてしまい、可愛そうなことをしましたが、まったく吠えずに、じっとがまんをして、おりこうな子でした。

段々と呼吸が早くなり、肺も真っ白で、最後は酸素ハウス(自宅でレンタル)の中で亡くなりました。仕事から帰ったら、冷たくなっていました。

苦しんで、すごい形相で亡くなっていたのではなく、ベッドの上で丸くなり、こちらを見ているように安らかな顔をしていたことが、せめてもの慰めでしたが、その顔が可愛すぎて一層悲しくなりました。

亡くなった際は、ほんの少しのオシッコと、ころっとしたウンチを2~3ケ、出ていただけでベッドもあまり汚さず、きれいな最後で、長患いもせず、毎日仕事で忙しい私に余分な手間をかけさせずに逝ってしまったように思えて、それがとても不憫で泣けてきました。

私の膝の上が大好きだったので、もっと乗せてあげればよかった、など後悔ばかりが押し寄せます。

せめて最後は、私の腕の中でお別れしたかったけれど、その日、仕事へ行ってしまい、それも後悔しています。

最近では、私の言うことがわかるようで、とても良い関係になりつつありました。

フードは相変わらず、食べたり食べなかったりだったし、散歩もしょっちゅう止まったりして私のペースで歩けませんでしたが、今となっては、良い思い出です。

ものすごく吠える犬になってしまいましたが、私にだけは、全く吠えず(主人や息子にも、たまに吠える)その点は忠実で、仕事から帰ってくると嬉しそうに、じーっと私を見つめてくれる、飛び切りかわいい子で、いつの間にか、私の心の支えになっていました。

最後の最後まで、一度も便秘や下痢をしたことはなく、高熱を出したこともなく、手間のかからない子でした。

たった9ケ月の短い間でしたが、すっかり我が家の家族だったのですね。

悲しみは深く、自分でも驚いています。

きっと、苦しさから解放され、今は楽しく天国で飛び回っている。と思うようにしているし、いつまでも悲しんでいては、成仏できない。とわかっているのですが、やはり悲しいです。

友人から、「ペットを亡くした悲しみは、またペットを迎えることでしか癒されることはないし、1ケ月を過ぎれば、新しい子を迎えてもいいと思う」と励まされましたが、当初はとてもそんな気にはなれませんでした。

しかし、ケージの中に、あの子の写真を飾り、お骨をおいて、生前どおりに毎日水をあげ、話しかけていたら、すこしずつ落ち着いてきました。

お散歩しているほかのワンちゃんを見かけて、かわいいなぁ。と思え、もう少し元気が出たら、また新しい子を迎えてもいいのかな。と思えるようになりました。

しかし、もう2度とこんなに早くお別れしたくありません。

まだ元気だったころ、あの子を医師に見せたとき、体を見て、ちょっと弱そうな子ですね。と言われたし、友人が動物病院の看護師に知り合いがいて、その人にうちの子の写真を見せたら、「弱そうな子だから、きっとすぐに病気になると思う。売れ残りの子だったのでは?」と、言ってたらしいです。(これは、亡くなった後に聞きました)

見る人が見ると、丈夫な子かどうか、わかるものなのでしょうか。

次に迎える子は、すでに1歳くらいの、しっかり体重があり、骨太で、良く食べる子がいいと思うのですが、1歳で販売しているということは、売れ残りという可能性もあるのでしょうか。

施設にいる子を迎えてもいいかな。とも思いましたが、病気だったりすると、長生きできない気がするので、やはり信頼のおける、健康で丈夫な犬を扱っているブリーダーさんから迎えたいと思います。

一方で、「もし、今度、10年、15年と長生きしてくれて、お別れすることになったときは、どんなに悲しいことだろう」と想像すると、お迎えすることに弱気にもなったりしてます。

不安定な内容で、すみません。

堀川さんに、このようにメールで自分の気持ちを書いていたら、不思議と心の整理ができてきたように思います。


返答内容
とても残念で、私も心が苦しいです。

私はこういう活動をしておりますので、飼い主さんから愛犬が亡くなってしまったご報告も多くいただきます。

老衰、病気、誤飲事故、先天性障害、感染症など、原因は様々です。

私も愛犬を亡くした経験がありますが、どんな死因にしても、自分を責めてしまう時期が必ずあります。

愛犬の死を受け入れ、心の中で消化するまでに、色んな思考がめぐります。

人のせい、自分のせい、これがこの子の寿命だったんだ等々・・・

毎日泣いて心の動揺が収まるまで約1か月、整理がついて精神的な安定が戻るまで約半年、次の犬を飼いたいと思えるまで約1年、だいたいそのくらいかかると思っています。

ただそう言ってしまうと、その例に引きずられて、長引いてしまうといけません。

しかし、まだ心の動揺が残っているうちに新しい犬を迎えるのも、精神疲労の蓄積が抜けず、うつなどの危険性が高まりますので、あえてお話しいたしました。

お許しくださいませ。

また、その犬とどれだけ長く密接に暮らしたか、も影響します。

犬を擬人化してしまい、いつもベッタリで精神的に依存してしまうと、別れのショックが強すぎて精神疾患を患い、自殺してしまう飼い主さんもいます。

犬が亡くなるタイミングが、急にやってきてもショックが大きすぎますし、老衰でボロボロになっていくのを毎日毎日見ながら暮らすのも本当につらいです。

私の場合は後者でした。

ですので↓これは本当に悲しいです。

>もし今度、10年、15年と長生きしてくれて、お別れすることになったときは、 どんなに悲しいことだろう・・

↑本当に悲しいです。

ですが、反対の見方をすれば、悲しいのは、

それだけ『犬との関係が素晴らしいものだったから』です。

もし良い関係になかったとしたら、それは長く生きたとしても「やっと死んだか」と思うかもしれませんし、

良い関係にあったなら、短い期間だったとしても辛くて当たり前なのです。

辛いということは、

『それだけ良い関係にあって、犬との生活が素晴らしいものだったから』

です。

『悲しみが大きい分、幸せも大きかった』

ということです。


そう思えるようになるまで、少し時間がかかるかもしれません。

私が思うには、今回は飼い主さんとして出来ることは十分されたと思います。

落ち度はありませんでした。

私もたくさんの飼い主さんから色んな情報が入ってきますが、予想できない、症状もまったくない突然死も、あるものです。

例えばブリーダーの犬舎を見学して、「良い環境だな」と思っても、生まれてくる子犬が先天性の病気や虚弱体質を潜在的に持っていることもあります。

「潜在的に持っている」という場合は、なかなか見抜けません。

ですので、今後犬を選ぶ時は、見れる部分はしっかり見て、後は天に任せるしかありません。

見れる部分としては

・ブリーダーの犬舎の環境(汚いなど)

・親犬の毛並み、やせ具合、咳などしていないか

・散歩や遊びもしている様子か

・ブリーダーさんの人柄(会って話してみるなど)

です。

そして、もちろん子犬自体も、毛並み、やせ具合、咳などしていないかを見ます。

子犬は生後3か月未満であれば、成犬よりも必ずコロッと太っているのが正しいです。

成犬と同じくらいスリムですと、それは痩せています。


そして、さらに念を入れるなら、ブリーダーさんの家族犬を譲ってもらうことです。

単なるビジネスでブリーダーをしているタイプの人と、その犬種が好きでたまらなく自分でも犬をたくさん飼っているタイプの人がいます。

後者のブリーダーさんですと、その犬を5頭・6頭飼っていたりしますので、その中の子を譲ってもらえば間違いがないです。

その犬種の健康にも詳しいですので、異変があればすぐに気づきます。また、何か気になる事があれば、そういう人は正直に話してくれるはずです。

そして今回のことも、お話しされた方が良いです。


ただ、その場合も問題があります。

その犬は、たくさんの家族・群れの中で長く暮らしましたし、いつでもそばに誰かが居るわけですので、留守番が長いようなご家庭の環境に適応しにくいです。

また、幼少期から一緒に暮らしていないので、本当の意味で絆が深まらない可能性もあります。

ただそれも、その犬の個体差がありますし、事前にブリーダーさんにお願いして、一頭でケージ内で過ごす練習を少しずつ積んでもらえれば、適応もしやすいです。


さて、私も葛藤することがあり、自分の人生についても考えることですが、

「生あるもの、いつか滅する」

という現実です。

飼い主さんご自身も、ご家族も、愛犬も、私も、私の家族も犬も、地球上のあらゆる生物も、いつか死にます。

その差は、たかが数十年です。

死ぬ時のことを考えて生きるなんて、あまりにも虚しくなります。

そこまで考えてしまうと、自分が生きていることすら悲観してしまいます。

とあるデータですが、

人が亡くなる前に思う、人生で一番後悔したこと第一位は、

「もっと自分の思った通りに生きれば良かった」

だそうです。


精神的な動揺が収まり、心の整理がついたら、また犬を迎え入れると良いです。

それまでは、たくさん泣いてください。

忘れようとされないで、たくさん考えてください。

その方が、頭の中が整理されて、また前に進んでいけます。

それでは、お体大切に、しばらくはご静養されてください。


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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