犬のしつけがQ&Aで分かる!

夫が犬のしつけに協力しない・犬に噛まれる・寝る前ハウスで怒る

質問内容
犬の問題の内容は以下2点です。

■ハウスさせるときに、特に夜寝る前は異常に怒る
唸って牙をむき、足に本気で噛みついてくる。悪い事するとハウスさせていたのと、主人が甘やかして一緒に寝てしまう事が度々あった。なので主人には飛びかかって凄い勢いで噛みついてきます。

■家の中や車の中にいるとき外で人が見えたり気配がすると吠える
服従関係がまだうまくいかず犬に気をはらせているんだろうと思います。

・犬はトイプードル3歳8カ月オス。飼い始めは3年5カ月くらい前。犬が好きで、いつもペットショップを覗いていたが前に犬を亡くしているので買う気はなかったが、主人が一目ぼれしてお金もないのに突然飼うことになりました。

お互いに仕事が長くて長時間家を空けるので、犬を飼えるか不安があったがペットショップの方が散歩に行く習慣を作らなければ大丈夫と言っていました。今思うと、売るためにそんな事言ったんだろうなと思い。

犬にかわいそうな事したなと思います。とっても怖がりで神経過敏な感じになってしまいました。

私・主人ともに30代。ペット可のアパート暮らし。私が朝9時から2時までパートなので、それ以外は普段は一緒に過ごしています。

過去の接し方と一日の流れ:

①朝仕事に行く前や帰宅時にナデナデしておもちゃ引っ張りっこをしてました。

②基本的にしつけはその場で悪い事をしたらダメっていってました。トイレや待てはその場で声掛けして、おやつを上げてました。余りにも言う事を聞かない場合はハウスに入れて無視しました。

③おやつ、抱っこナデナデはしょっちゅうやってました。あと可愛いねって言う。今でも犬が膝の上に乗って寝たがるのでつい乗せてしまします。

④散歩は、飼い始めの頃は週に3回。一日20分位で今は出来るだけ毎日30~1時間。

⑤飼い始め頃はお互いに仕事で長時間家を空けてました。私が朝の8時から9時頃、主人は8時から12時頃。その後、約三年前に私は体を壊し入院などして毎日一緒にいる日が1年位続きました。その後今のパート9時~2時になり朝7時か午後3時か夕方5時のどれかに散歩をしています。主人も仕事がかわり2交代制で17時頃帰宅後。夜勤時は15時頃家を出るのでその前におもちゃで遊んだりしてます。

⑥犬の環境は画像添付。リビングの角にケージの中にソフトクレートを置いています。

長文になってしまってすみません。何かアドバイスが頂けたらと思います。お忙しい中大変かと思います返信は急ぎませんのでよろしくお願いいたします。


返答内容
今回アドバイスの前に、いくつかお伺いしたいことがございましたので、お時間あります時にお返事いただけますと幸いでございます。

①今回教材をご購入いただいてからだいぶ経っておりますが、教材はご主人もご覧いただきましたでしょうか?(接し方のルールを話し合って決められましたか?)

②教材をお買いになられてから、奥様だけが実践されてこられましたでしょうか? あるいは、奥様もあまり実践できなかったでしょうか?

③本気噛み、吠え、それぞれ犬が何歳(何か月)ころから症状が出始めましたか?

④奥様に対しても犬は噛みついてきますか?

⑤犬が噛む時ですが、ウ~と唸りながら歯をむき出して怒りますか? 他にも、身体の敏感な場所を触ると怒って噛みますか? 獣医さん・トリマーさん・来客にも噛みつきますか?

⑥犬は飼い主さんに対しても吠えますか?(エサの要求、ケージから出してほしい要求など)

⑦散歩中も他人や犬に吠えますか?

⑧スワレ、マテなどの言うことは聞きますか?

それでは、お手数お掛けいたしますが、お待ち申し上げております。

飼い主さんからのお返事.png
早速の返信ありがとうございます。以下、回答です。よろしくお願いします。

①主人は読んでくれず書いてあった事を口頭で伝えてやってもらうようにしていますが、ほぼ協力してくれません。

②私だけが実践しているので、犬も私と主人への態度に差が出ています。ちなみに実践は完璧ではないです。
好い感じになるとつい可愛くて鉄の意志がゆるむ事もあります。

③ハッキリ覚えていませんが吠えは6カ月頃からで本気噛みは1歳頃からだったかと思います。

④私に対しては主人がいない時はたまに噛もうとするくらいで指示にしたがいます。主人がいるときは、主人の上に乗って噛みついてきますが、それでも指示をやめないと諦めてハウスします。

⑤唸りながら歯をむき出しにします。凄い顔になります。体を持ち上げようとすると凄く怒ります。(寝る前にハウス時のみ)
爪切りや足裏バリカンと耳掃除をやろうとしたら怒って噛みます。
獣医、トリマー、来客にはおとなしくとってもいい子になります。吠える事もありません。
来客を気に入った場合は膝の上に乗ります。私が呼んでも無視です。離そうとすると怒ってウ~っとうなります。牙はむきません。

⑥殆ど吠えません。く~んと寂しそうに鳴きますが出してもらえないと分かるとすぐ諦めておとなしくしています。

⑦散歩中は一切吠えません。犬には怯えている時が多く、ドックランでは追い回されてしまい震えて座り込む事が多いです。
人によりますが怯えて逃げる場合と、寄って行って臭いを嗅いだりしています。

⑧基本的に聞きますが、外の気配を感じて吠えている時などはそっちしか意識が向いていないようで指示をきいてくれません。

室内でのリーダーウォークをしていましたが、その時は聞くのですが、辞めるとだめでした。つい可愛くてまだ甘い対応を自分がしてるんだろうと思います。鉄の意志ってなかなか難しいですね。

長時間家を空けている時は、中々ハウスしてくれないとこちらも早く寝たいのでイライラしてしまって、逃げる犬を毛布にくるんでハウスさせていた時がありました1歳頃までです。


返答内容
詳細ありがとうございました。大変よく分かりました。

まず、今回のトイプードル君の素性は良い子なのです。本当に問題がある素性の犬は、獣医さんにもトリマーさんにも来客にも同じように反応し、もう生後半年までに手におえなくなっています。

今回はそうではなく、徐々に問題が出始めて、成犬の本能がハッキリ出てきたタイミングで主従関係が崩れています。

これはやはり、飼い主さんと一緒に過ごしてきた過程の中で、犬に関係を誤解させ、悪い習慣を定着させてしまった結果です。

※このメールは必ずご主人にも転送(もしくはプリントアウト)してください。

このままの犬のしつけ方では、どんどん問題が大きくなっていき、将来大惨事になる可能性があります。

これから赤ちゃんが生まれるかもしれませんし、よその子供に危害を加えてしまう可能性もあります。小型犬でも、本気で噛みついて首を振り回したならば、人間の指を噛み千切るくらいの能力は持っています。

トイプードルでもチワワでも、犬種や性別に関係なく、実際にそういう事例は多々あります。

自分や家族や他人が大ケガをし、下手をすると飼い主さんが逮捕されるケースもあります。問題が公になれば、犬はほぼ100%殺処分されます。

そうなってからでは遅いのです。

もちろん、お子さんがいらっしゃらないご夫婦ですし、きつい仕事から帰ってきた時に癒しを求めたいのも十分理解できます。かつての私もそうでした。

しかし、私達人間の大人は相手の事情も理解できるわけですが、犬には人間側の事情を理解できる知能は、残念ながらありません。犬は犬の本能で冷淡に反応するだけです。それしかできないのです。

相手を見下し、自分の優位性を感じ、またリーダー不在のストレスも感じています。

家族間で一貫性が無い、同じ人でも一貫性が無い、根本的に接し方が間違っている・・・

これでは犬は理解できませんし、矛盾やギャップでも苦しみます。犬を可愛がっているつもりが、実際は犬を苦しめてしまっているのです。そこにも気付いていただきたいのです。


さて今回は、犬のしつけの手法の前に、お二人の意識改革をしなければいけません。

それがないまま表面上の手法だけ上塗りしても、犬には伝わらないのです。簡単に見抜きます。

必ずお二人で、このメールと本書とQ&Aサイトを熟読されてください。ダウンロード版でお買いいただいていますので、ご主人に見ていただくためにプリントアウトしましょう。Q&Aサイトも重要な部分はプリントアウトされてください。

そして、接し方のルールを必ず話し合って統一されてください。それが出来ないと犬はまったく理解できないどころか、ギャップで苦しみますし、どちらかを攻撃するようになる場合が多いです。

細かい手法自体は、本書とQ&Aサイトを見ていく中で自然と知っていきますので、今回はここではお話はいたしません。それと、お話しましたように、飼い主さんの意識が無く表面上の手法の上塗りだけでは、犬は見抜くのです。それが危険なので、今日は手法のお話はいたしません。

ですが、せっかくメールもいただきましたので一つだけお話をいたします。


まず犬をケージから出す時は、犬にリードを付けてそれを持っておく癖にしましょう。

その状態で、遊んだり団らんします。それが出来ない時間帯は、犬はケージから出さないことです。

犬にリードを付けて持った状態で一緒に過ごすことで、自然と自分の主導性を犬に示すことが出来ます。そして、犬が噛みつくのを防止できますし、噛みつかれた時にはすぐに引き離しながら注意することが出来ます。

まず、犬が唸って怒り始めた瞬間に、その場でリーダーウォークに移行してください。厳しい態度で「シ!・・シ!・・シ!」という注意音を関連付けながらすると良いです。

そして、犬に噛みつかれた場合は、「シ!」の音を出しながらリードをガツンと引き上げて、注意しながら犬を引き離します。そしてリーダーウォークです。(吠えた時も同じ注意の仕方で良いです)

犬をケージに入れるのも、リードが付けてあればやりやすいです。

また、ご飯はケージ内で食べさせることと、コング遊びの延長をケージ内でもしてあげることです。(コングは留守番時に入れっぱなしにしないこと)

犬がケージに入っても扉は閉めないで、「ハウス」の音で褒めてあげて、また「コイ」で出して褒めて遊んで、またコングをケージ内に転がして犬を誘って入れてハウスの音で褒めて・・・を何度も繰り返してください。

そして、何度か繰り返したあとに、無言で知らんぷりして扉を閉めて去ります。


そんなふうに、まずは遊びの中から少しずつしつけの要素を混ぜ込んでいくことです。

そして、何を教えるにしても、『言うことを聞きたくなる関係・褒められて嬉しくなる関係』がないと、何にも意味がありません。犬はイライラするだけです。

そのためには、まずは意識改革をしていただき、ご夫婦で一貫・統一していただき、犬に認められる存在にならなければいけません。

犬の世界では、もう生後半年も過ぎると親子の関係は薄れていきます。そこからはリーダーに従う特性が強くなっていきます。頼れるリーダーがいなければ自分がなろうとします。その結果が、現在の問題行動そのものなのです。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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