犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛み付く飛び付くマウンティングする犬のしつけ

m1.png生後4ヶ月のミニチュアシュナウザーの子犬を我が家に迎えました。
 
家族構成等ご説明させていただきますと
 
・本人 38歳 男性 ・妻  37歳  女性
 
愛犬との同居時間は私が8時~17時まで勤務
妻がランダムに午前と午後のどちらかの勤務になり、それ以外は買い物時以外家におります。ただし私どもの寝室が2階になりますので、寝る時間はケージに一人で寝させてます。
 
①正月休みもあって、ランダムに1日3回ほどケージから出して妻や私と一緒に遊んでおりました。またケージの屋根を空け、トイレなどを掃除する際になでたりしてました。他にインターネット上での犬のしつけ情報を見聞きし、体を触られることに慣らすためにひざの上に仰向けだっこして、犬のお腹や足やマズルを触るなどしてました。
 
②犬をケージから出したときに(時間はランダムで食前、食後、就寝前等もありました)ボールを投げて取ってこさせたり、ロープの引っ張り合いや、ロープを渡し、一人で遊ばせたりもしました。一人遊びはケージ内におもちゃを与えてさせたりもしました。
 
③まず犬のトイレのしつけですが、ケージ内のトイレにできたら褒める(私の見てる時にできたら)それ以外は無言で片付ける。をしておりました。他には「見て」でアイコンタクトをする練習。これは他の物に気がそれるとできません。
遊びの中で偶然オスワリの姿勢になったなったときに「オスワリ!」の声と同時に褒めることをしております。(これは声ではまだできません。)
 
④オヤツはハウスに入れるときや、犬の留守番前にコングにおやつを入れて夢中になってる隙に出かける。ということをしてました。褒める際に犬にナデナデをし、たまにですが妻はケージの外から犬の名前を呼んだりもしてました。
 
⑤犬の散歩は昨日の夜、初めて家の前の歩道をリーダーウォークで10分程行いました。
 
⑥朝6時半ごろ起床し、私の朝食後に犬の朝ご飯。
その後妻が午前中勤務の場合は2時ごろ帰宅し犬の昼ご飯(妻は昼食はとりません。)
私が帰るまでに1度リビングで妻と犬とボール遊び。
午後勤務の場合は午前中に1度遊び、正午に犬のご飯を済ませた後出勤してます。
私が帰ってから晩ご飯ですが帰宅が遅れる日は8時頃、私どもの後に犬のご飯。
その後1時間ほどケージから出し、私とのボール遊びやリビングでの一人遊びをさせていました。
寝るまでにもう一度15分ほど犬と遊ぶこともあります。
それ以外の時間はケージの中に入れて、目も合わさないようにしています。
ハウスはリビングとつづきになっている私の書斎スペースのにあり、リビング内やTV等、台所以外は見渡せる位置です。ハウスの近くに私のPC机があり、在宅時はほとんどの時間ハウスに背を向ける形でそこに座ってます。
 
しつけのご相談なのですが、犬が来て数日はおとなしい子だったのですが、段々吠え、飛びつきがひどくなり堀川様の教材にすがった次第です。
 
リーダーウォークはなんとかこなせてるとは思うのですが、仰向けはとても嫌がり、暴れて噛み付くので、つい大きな声で「ダメ!」を言い、のどに噛み付くような形で口を押し当ててしまいました。(噛んではいません)

そのときは嘘のようにおとなしくなったのですが、その後からは遊んでいても犬が興奮してくると、体に触っただけで噛んでくるようになりました。犬は怒っている様子ではないのですが、口を閉じようとしてもとても嫌がり、その手に噛み付いたり一瞬動きが止まっても、犬を褒めようとしたその手に噛み付いてきます。

噛むと言っても怪我をしたりするほどの力ではないのですが、私の叱り方が悪かったのではと気が重くなってしまってます。妻も歩いてるときに、背後から太ももに飛びつき→マウンティング→噛み付きをしてしまい大変ショックを受けてるようです。
 
この犬の噛み付きに対するしつけはどうすればいいのでしょうか?
またその原因はやはり私にあるのでしょうか?
せっかく家族が増えたのに、たった2週間で弱音が出てしまい自己嫌悪に陥ってます...。


m2.pngまず現状を知っていただきたいですが、ごく普通の若犬の当たり前の状態です(^-^)
犬は初めての環境には慣れるまで様子を見ますが、慣れれば若犬本来の活発な行動を見せます。噛み付き、追いかけ、飛びつき、マウンティングなどなど・・いたって普通の犬の行動です。

叱り方は悪くありませんでした。ただ、感情で怒っても悪循環になりますので、経験と反省を繰り返しながら飼い主さんも学んで、一緒に成長していけばそれで良いんです。
 
犬は本来捕食動物ですから、その能力がなければ生き残ってこれませんでした。幼少期から狩猟の擬似行動を繰り返し、その能力を磨いていく本能があります。
 
そしてもう4ヶ月です。赤ちゃんはとっくに卒業していまして、成犬になる移行期間に入っています。ホルモンバランスも変わってきます。成犬としての行動の特徴も徐々に強く出てきます。
 
犬の生後6ヶ月までは、社会化にとって非常に大事な時期です。この期間の犬と人間の接し方、経験や出会い・・これがその後の犬の生活に大きく影響してきます。ぜひ頑張って毅然と続けましょう。
 
では、内容です。
 
まず、犬への今までの気遣いや接し方は見直すべきところがいくつかあります。というよりも、やはり根本は飼い主さんの意識改革になります。先ほども申し上げたとおり、犬の3ヶ月や4ヶ月はもう赤ちゃんではありません。

人間の赤ちゃんにするような、ナデナデ抱っこ・・あやす・・オヤツ・・見つめる・・意味のない声かけ・・という行為や感覚は、犬には一切通用しません。むしろ、犬の本能の視点から見ると、それらの態度は従属的に映ってしまい、その接し方をされるたびに犬は自分の優位性を感じていきます。
 
常に「人間が主で、犬は従うべき」、という意識を持ち続けてください。もちろん、これから犬のしつけを始めていくわけですし、まだまだ成長期間が必要ですので、直ぐには結果は出ませんが、その意識がご自分の中にあるのと、忘れているのでは、無意識に態度やしぐさが変わってくるのです。
 
犬はとぼけた顔していますが、常にそれを接しながら感じています。絶対にそれを忘れないで接し続けることです。急にできなくても良いです。本書やHP・メールを読み返したりして、徐々に意識を深めていきましょう。必ず態度に表れ、犬も感じていきます。
 
まず、寒い時期ですが、犬の散歩は毎日いきましょう。よほど荒れている天気の日はもちろん結構ですが、基本は毎日です。犬の散歩は運動面もありますが、それ以上にこの時期は特に社会化が重要です。色んな人を見る触れる、他の犬に会う、車、自転車、色んなものを見せ経験させてください。
 
それから外の世界に触れる心地良い刺激が、犬のストレス解消に不可欠ですし、リーダーウォークで主従関係も深まっていきます。

それに関連するお話ですが、冬の寒い外を嫌がらないように、家の中で過保護にしないことです。暖房を効かせすぎたり、犬服を着せることはかえって犬の自律神経や適応機能に障害をもたらしてしまいます。被毛の産生量や皮下脂肪の蓄積など、犬はちゃんと寒さに適応する体に変化する機能を持っています。
 
次に、一日の中で何回か犬の「遊び」時間がありますが、どんな遊びをされているでしょうか。それと独り遊びをさせないで、必ず人間が主導するものにしましょう。本書のヒモ付ボール遊びはたくさんの良い要素があります。自由運動、狩猟本能の良いはけ口、飼い主が遊びを主導出来る・・飼い主も楽・・良い要素がたくさんです。
 
ボールを投げる前にスワレ・マテをさせ、出来たら(出来なかったら型をとらせ)褒めて投げる・・この要素を忘れないでください。「指示→従う→褒める」という要素です。これは遊びに限らず、犬と接する全てのことに共通させます。
 
ですので、先ほどもお話した意味なく声かけ・ナデナデ抱っこは止めて、その要素を入れた接し方をすれば良いのです。無視だけしていても関係は深まりませんし、犬は何も覚えられないからです。

オテでもスワレでも、最初は簡単なことから何でも良いんです。「指示→従う→褒める」の要素があって毅然と接すれば、主従関係はしっかり保たれますし、また深まっていきます。
 
ちょっと犬をかまいたい・・と思われたらそうされれば良いですし、できればちょっと時間が空いたならばリーダーウォーク、あお向けを頻繁にやるべきなんです。その数に主従関係が比例していきます。(もちろん毅然な態度意識は大前提です)。
 
褒め方はナデナデは止めましょう。高揚した甲高い声で褒め続けるのもNGです。従属的に見えます。「ダイゴ良い子!」とハッキリ毅然と伝え、同時に頭や体を軽くポンポンポンとたたいてあげます。それで十分、犬には伝わります。(まだ主従関係が積み上がっていないですから、犬が嬉しそうにしなくても落胆はしないでください)。
 
>「見て」でアイコンタクトをする練習。
↑これは良いことですので、続けてください。自分の目を指差すジェスチャーを加えると良いです。ご自分の目を指差して「ミテ」・・犬が目をそらしたら、下あごをつかんで顔をご自分に向け、目が一瞬でも合ったら、その瞬間を逃さず「そう」「良い子」で褒めます。ひたすらこの繰り返しです。
 
>遊びの中で偶然オスワリの姿勢になったなったときに「オスワリ!」の声と同時に褒める・・
↑続けてください。フセも同じです。ただし、待ってだけいても覚える機会が少なくなってしまうので、本書の通り、何でも型と音で積極的に体現させてください。
 
そして犬の噛み付きのしつけも同じ事です。噛んだら「ダメ」と同時に首輪を引き、もう片手で犬の口を軽く閉じます。良い型ができたので褒めて開放します。開放してまた噛んだら同じを繰り返します。それだけです。シンプルに体現させ続けないと、犬の知能では理解できないのです。そして主従関係がないと、犬は聞く耳すら持ちません。だから大前提は主従関係の積み上げであり、その根本はリーダーとしての意識の強さなのです。
 
でも、まだまだ成長期が続きますから、直ぐには結果を求めてはいけません。ジックリ関係作りを重視して、犬のしつけを根気良く続けないといけない時期になります。そういう時期はあります。
 
まだ先は長いですが、正しくたくさんやれば結果はそれに比例します。ちゃんと良くなりますから、大丈夫です(^-^) ご自分を信じてやり続けることです。
 
では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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