犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬がケージから出せと吠える場合のしつけ方

質問内容先日は犬のしつけのアドバイスありがとうございます。保護されたシェパード犬4歳(飼い始めて3年)

その後リーダーウォークと仰向け固めを続けてしばらく経過するのですが、散歩ではほぼついて歩くようになって良かったのですが、まだ他の犬を見つけると吠える、激しい雨、雷、風の音には相変わらず吠え暴れまわる状態が続いております。

また、深夜2時、3時になるとケージから出せと吠えるような有様です。気長にとは分かっているのですが、このまま持続していけば改善していくでしょうか?

1歳過ぎてからもらってきて飼い始めたことに無理があるのでしょうか?

良いアドバイスがあればと思いメールさせていただきました何卒よろしくお願いいたします。

 

返答内容

今回のシェパードちゃんの吠えの要因はいくつかあります。考えられる要因は全て改善していきましょう。

犬のしつけは、部分的な手法の上塗りだけでは絶対に成功しません。「リーダーウォークと仰向け固めを・・」だけでは意味がありません。

何気ない接し方全体を、冷静に見直していかないといけません。

気になるのが、前回のメールにあった「昨年に定年退職・・」とありました。何か犬との接し方に変化がなかったでしょうか。

犬の素性に問題があれば、飼ってすぐに問題が出てきます。「2年間何も無くて1年前から急に・・」ということは何か変化があったからです。

たまたま、「何か雷や強風で物が飛んできた」という経験がキッカケになったかもしれません。しかし、前回のメールを拝見してすぐに分かることは、犬の特性をご理解されず犬の要求に合わせておられたことです。

「オヤツをやる・・」

という飼い主さんは、必ず犬との接し方全体で甘さや犬から誤解される接し方があります。

犬は知能が低いですが、自分にとって都合の良い事はすぐに学習して利用しようとします。

何かのキッカケでたまたま家の中に入れた・・かまった・・・。という記憶は、犬の中で強く残ります。「要求すれば来るんじゃないか?」と犬は考えます。ちょっとクンクン言ってみた・・吠えてみた・・「飼い主さんが来た!」

この経験で犬は確信を持つわけです。

ですので↓これはもう忘れましょう。

>1歳過ぎてからもらってきて飼い始めたことに無理があるのでしょうか?・・

もちろん、幼いころから犬のしつけを徹底できれば一番なのですが、初心者の飼い主さんには難しいものです。捨てられたくらいですから、前の飼い主さんもしつけをちゃんとしなかったでしょう。

でも、今回のシェパードちゃんの素性は良い子ですよ。本気で噛んだり威嚇するわけではありません。現状は、犬の本能で犬らしく素直に生きている結果なだけなんです。


そして、いろんなところでお話していますが、本来犬の外飼いというのは、とても難しいものです。

吠えとトイレのしつけを現行犯で教えられないのと、犬が常に緊張状態でストレスを抱えるからです。

外の世界は、臭いも音も視界もダイレクトに伝わります。散歩に行くぶんには良い刺激になるのですが、普段の居場所が外ではリラックスできないのです。

犬の寿命も大きく変わります。

犬は、オシッコ・ウンチの片づけだけマメにしてあげれば、くさい動物ではありません。歯磨きをして、糞尿を踏ませないで、肛門腺もキレイに保っておけば全然臭わず、犬の室内飼いは何の問題もありません。

犬のしつけ・健康寿命、いろんな面で犬は室内飼いのほうが良いことは事実です。

今回は二つに一つです。

環境を変え、室内で安心させて過ごさせるか、外飼いならば毅然さを徹底的に一貫することです。どんなことがあっても絶対に家の中に入れない・かまわない、ということを100%一貫できないと、犬には理解できないのです。

ですが、一度おいしい味を犬が覚えてしまっていますので、なかなか大変です。それはご覚悟ください。吠えたら、無言でケージから出しその場で厳しくリーダーウォークを行いケージに戻す・・また吠えたら厳しくリーダーウォーク・・

これをやっていかないといけません。

それと、目隠しもやってみましょう。例えばホームセンターにいくと自動車用の大きな保護シートが売ってますよね。視界も風も臭いもダイレクトに伝わるのを防いでくれます。

結果はやってみないと分かりませんが、目隠しで変化がある犬もいます。毛布など、厚手の布で要らない物があったらそれで試しても良いでしょう。

犬がイタズラしないように設置する必要もあります。

そして、室内飼いにしても外飼いにしても、接し方全体を改善しないといけません。犬に要求される関係になってしまっているわけです。そうなった原因は接し方に問題があるからです。

それを直さないで一部の手法だけ上塗りしても結果は出ません。それはどうかご理解くださいませ。

まだまだできること、改善しなければいけないことはたくさんあります・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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