犬のしつけがQ&Aで分かる!

小学生の娘を噛む子犬のしつけ

質問内容
初めまして、主婦40代です。主人40代、娘小学生低学年の3人家族に、メスのトイプードルの子犬が家族になりました。

もう少しで生後4か月、うちに来てから2ヶ月になります。

しつけ方法は、前から読ませて頂き、早速、仰向けと、リーダーウォークを実践しておりますが、なかなか進歩が見られません。甘噛みが多く、最近では興奮して、本気噛みの様になる時もあり、特に娘に対して酷くなり、楽しみにしていた子犬との生活ですが、娘も手から血が出てしまい、朝から晩まで吠えられ、元気が無く感じます。ドアを開けて娘が入って来た時や学校から帰ると、吠えられ噛まれます...

私も急いでノー!シュッ!と言って助けに行き仰向けで口を閉じる事をしますが、興奮してどうにもならない時にはゲージの中に入れて落ちつかせます。

主人にはしません。前にキャインと言うくらい口を抑えられてからは、主人には噛まなく、お腹も見せます。

又、リーダーウォークは、歩くのも上手くいかず止まったままです。おトイレは、夜と、お留守番中は、ゲージの中で。遊びでリビングに出ている時は、シートを2枚出してあり、そのシートにしたり、しますが、ゲージの中のトイレにはしません。

私も、いっぱいいっぱいになってしまい、せっかくの可愛い子犬時代を楽しむまでは、なかなか難しく、又、娘と子犬の関係もなんとかしてあげたい気持ちで毎日笑えなくなってきてしまいました...毎日真剣です。どうか、アドバイスよろしくお願いします。


返答内容
さて、現状の問題は良く分かりましたので、サポート要領でお願いしております「過去の接し方」などをお知らせいただきたいと思います。

何が悪かったのか、何が原因で現状になっているのか、を把握しないとアドバイスができませんので、お手数かけますが、お時間ある時にお知らせいただけますと幸いでございます。

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(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)

①犬を飼うことになった動機はなんですか?(お嬢さんが飼いたがって溺愛しましたか?)
②一日の愛犬との同居時間
③過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?
④過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
⑤過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?
⑥過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
⑦過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
⑧愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)

・上記に加えて追加です

⑨家に来て直ぐから噛み付きがありましたか?
⑩トイプーちゃんはブリーダー直で買われましたか?ショップ経由ですか?

それでは以上、お待ち申し上げております。

飼い主さんからのお返事.png
情報不足で失礼しました。

①堀川さんのご推測通り、娘が犬との生活をしたがって1年間くらい主人にたのんでいた。もちろん、主人も私も犬は好きで、娘も小学校へあがり育児も少し落ち着いたので、飼う事になりました。

②私は、専業主婦ですので、基本的に一日中家に居ますが、子犬と接するのは、午前中3時間くらいと、午後は5時間くらいです。主人は、朝の1時間くらいと、夜は深夜に帰り1、2時間ゲージから出して接しているようです。娘は、朝はほとんど時間なく学校へ行き、午後帰り、5時間くらいです。

③買い始めは、2週間ゲージから出さないようにペットショップから言われており、ほとんどゲージの中で、たまに抱くくらいでした。ゲージから出してからは、わりとすぐに堀川さんの書を読ませていただきました。

④主人は、噛みがあると初めから口をキャインと言うくらいに閉じて叱ってましたが、私はそれが出来なく又やってしまって大丈夫かな...と考えもあり、色々と図書館から本をかりては、どの躾け方法にしたらいいのか自身がなく迷い、何も出来ないままでした。

⑤おやつは、まだあげた事ありません。猫撫で声は、みんなやっていました。書を読んでからは、私はしないようにしていますが、主人と娘はしています。

⑥まだ、お散歩は出ていませんでした。

⑦朝は、7時にドックフードを食べ、2時間くらい遊び、ゲージにもどり寝ます。
12時にお昼のドックフードを食べ、3時間くらい遊び、寝ます。また、1時間くらい遊び、7時にくらいにドックフードを食べ。
2時間くらい遊び9時には寝ます。夜12時くらいに主人が帰宅し、起きて遊び、2時くらいから、朝まで寝ます。夜泣きはありませんでした。

⑧写真送ります。

⑨家にきてすぐに甘噛みありました。

⑩犬の購入はペットショップです。

よろしくお願いします。


返答内容
今回の原因は3つほどあります。

①まず、今回のトイプーちゃんの生い立ちにハンディはありました。

多くのショップ・ブリーダーは動物愛護法を無視し、非常に早い時期に親兄弟から子犬を引き離して売ってしまうのです。

今回はショップ経由でしたが、その場合多くは中継業者も入りますので、そうとう早い時期で引き離されています。

本来は、しばらく親兄弟と過ごし、情緒が安定したり初期の社会化を果たさないといけません。兄弟ゲンカで学ぶことも多いですし、親犬がしつけする場合も多いです。

それと、時期が早かっただけでなく、親犬が育児放棄をしたり、生まれた兄弟が少なかった場合も、学習の機会が減ってしまいます。

家に来てすぐから噛み付きがあったということですので、そういうハンディは大きかったはずです。

しかし、それはもう過ぎたことです。そして、犬のしつけを理解しているベテラン飼い主さんだったならば、結果も違います。

>口を抑えられてからは主人には噛まなくお腹も見せます・・

↑このように、もともと理解力のある頭の良い子なんです。学ぶ機会が乏しかったのです。


②お嬢さんの接し方が犬に勘違いをさせてしまった

一人っ子のお嬢さんからしたら、妹や弟も欲しかったでしょう。寂しかったでしょう。そういう意識から、犬を可愛がったと思いますし、優しかったと思います。

もちろんそれは自然な感情ですし、大人でも子犬が可愛ければそういう接し方もしたくなります。

しかし、犬の知能ではそういった人間側の事情を理解することはできません。犬は犬の本能で冷淡に感じて反応するだけです。

『人間の優しさ』を『弱さ』と感じる犬は多いです。「弱さを見抜いている」と言ってもいいかもしれません。これは自然の掟でもあります。

人間界でも、相手の優しさを誤解したり利用する人たちがいます。特に中・後進国の人たちです。特に日本人の優しさは特殊ですので、だから中国人・韓国人とは感覚が合わないんです。価値観が違うんです。

お嬢さんもまだ幼いですので、すぐには理解できないでしょうから、親御さんが良く解説してあげてください。

それと、おそらく今の時点で、お嬢さんも当初のような愛情が子犬に対して無くなってきていると思います。それも自然なことで良いのです。そうやって距離感が調整されていくものです。

そして、犬のしつけの失敗(関係の悪化)が、お嬢さんの心の傷にならないように、しばらくお嬢さん単独では犬と接することを禁止してください。

このまま任せても関係が悪化しますし、お嬢さんが自信を失います。

親御さんが居る時に、特にご主人がいらっしゃるときに一緒に遊んだりしつけをしましょう。

本書でもQ&Aでも解説していますが、比較的言うことを聞く対象であるご主人と犬との関係を利用することです。

ご主人が犬に仰向けをして、首輪をつかんでお腹も抑えて犬を制御します。そこにお嬢さんが参加して、お嬢さんの手を追加で添えて、『お嬢さんが犬に仰向けさせているかのように演出して見せる』のです。

「ゴロン、マテ」の指示音ジェスチャーも関連付けながらやって、褒めることもしましょう。(堂々とすること)

奥様も出来るのであれば、奥様の補助の元、お嬢さんに参加させてください。ご主人の時間がなかなか無い場合は、奥様とお嬢さんでしてください。

それから遊びも同じように補助してあげます。

犬にリードを付けて、ご主人か奥様がそれを持っていてください。お嬢さんに犬が飛びついて噛まないように制御します。

そして、犬にスワレ・マテの型を作り褒めます。そこで、ここからお嬢さんの出番で、お嬢さんが犬にマテの指示音ジェスチャーで褒めてから、コングを転がして「キャッチ」の指示音と指差しジェスチャーを出します。そのタイミングで親御さんが犬のリードを緩めてコングを取りに行かせます。

犬が取ってくわえたら、親御さんがコイの指示音ジェスチャーを出しながら犬をリードでたぐり寄せて褒めます。(時には好きに噛ませる時間も作る)

そしてまたスワレ・マテ・・・この繰り返しで遊んでください。

ほとんどは親御さんが犬を制御しているわけですが、子供さんが遊びをリードしているかのように犬には映るのです。

子供さんには、犬に対してハッキリ堂々と指示出ししたり褒めるように教えてあげてください。


③家族間、または本人の中で接し方にギャップある

ご主人、奥様、お嬢さんという家族間の中で、犬に対しての接し方のギャップや矛盾が大きいと、犬の知能(特に子犬の知能)ではまったく理解できません。むしろギャップや矛盾で苦しみ、パニックやイライラになります。

さらには、ご主人のように普段は猫なで声でナデナデと従属的なのに、急に口をつかんで厳しく怒る・・・というのも激しいギャップなのです。このギャップが犬には理解できないのです。

こういうギャップがあると犬は、厳しくしつけする人か・優しく弱い人か、のどちらかを攻撃するようになってしまうのです。今回は優しく「弱い」と判断されたお嬢さんがターゲットになってしまいました。


まずは、家族会議で接し方や態度などのルールを決めましょう。そしてしばらくは、お嬢さん単独では犬と接触しないで、親御さんが犬と関係作りをし、その後に親御さんの補助の元でお嬢さんの主導性を犬に示して関係作りをしていきましょう。

お嬢さんからしたらちょっと寂しいかもしれませんが、こじれないために、お互いの将来のために今だけちょっとガマンです。もう分かってくれる年頃です。


そして噛み癖・吠え癖の直接の教えも必要です。

ケージから出す時はフリーにしないで、犬にリードを付けて親御さんが持っておく癖にしましょう。それで団らんしたりコングで遊んだりします。

その中で、犬が噛んだり吠えたりした時には、その瞬間に「シ!」などの注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。

あるいは、子供さんをおんぶか抱っこして、一緒にリードを持ち、その場でリーダーウォークしてください。これも先ほどのように「子供さんがやっているかのような演出」でやります。


トイレですが、まずはどこでしても絶対に叱らないこと。叱っても犬は理解できず、よけいに隠れて粗相するようになります。どこでしても、「チチチチ」など音の関連付けに注力します。

音が関連付いてくると、ケージから出たり遊びの興奮刺激がある時に、音出しでうながすことで排泄できるようになります。

犬にリードを付けてケージから出し、少しリーダーウォークしたらいったんケージ内に戻し音でうながす・・・それでもしない場合は、また少し出して歩いたり遊んで、またケージ内に戻し音でうながし・・・

この繰り返しで成功する時が来ますので、トイレを指差すジェスチャーを見せながら、音の関連付けもしながら褒めてください。

それをマメに繰り返すことで、失敗する要素も消えていきますし、褒められて成功体験を重ねることで理解し定着していきます。

そしてこれも、教えを聞きたくなる関係・褒められて嬉しくなる関係が大前提です。

毎日コツコツ、練習と関係作りを積み重ねていきましょう。


さて以上お話してまいりましたが、子犬の現状も理解してあげてください。今はまだ単なる小さな猛獣なのです。知能も経験も何にもありません。

お嬢さんも子犬も、まったく経験不足で、成長が必要なのです。5か月から反抗期に入ります。成犬としての本能が出てきてますます難しくなります。経験不足で進歩せず、そのわりにズル賢くなっていきます。

10か月くらいまでは大変だと思ってください。しかし、それも哺乳類の成長期に必要な過程です。

そういうことを理解してあげて、大きな気持ちで成長を待ってあげましょう。親御さんが調整もしてあげないといけません。

さて以上のお話も、すでにQ&Aサイトで解説していることのおさらい的な内容になっております。必ず熟読されてください。お嬢さんにも、良くかみ砕いで解説してあげてください。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)

飼い主さんからのお返事.png
堀川さん、早々のご返信ありがとうございます。方法は把握していたつもりでしたが、詳しく教えていただいて、イメージできました!

早速、娘だけで単独を止め、主人か私がついて、ヘルプしたいと思います。リードはまだ慣れず、おトイレまで誘導できるか難しいですが、頑張ってやってみます。

早くに親、兄妹から引き離されてしまった事...

これからは、また一から、私が母犬かわりになり、教えていき、愛情もそそぎ、家族になって行きたいと思います。ありがとうございました。又、変化進展ありましたら、お知らせさせていただきます。


返答内容
>私が母犬かわりになり、教えていき・・

↑今まではこれも大事なのですが、じつはもう、そろそろ母親は卒業しなければいけないのです。

人間の幼子の反抗期も同じですが、親離れをして独立する準備をしなければいけません。

幼少期は、大人から育ててもらわなければ生きていけませんので、本能で可愛さ・従順さを保ちますが、成長期の中で少しずつそれが薄れて独立心・自我も出てきて、今度はリーダーに従うようになっていきます。

それが群生哺乳類の特性です。

ですので、これからは良き母を卒業して、良きリーダーにならなければいけません。

飼い主さんご家族全員が、良きリーダーでいてください。

5か月くらいから犬の変化が大きくなってきます。

まずは気持ちで負けないように、強いリーダーのイメージを本書・Q&Aサイトを通してご自分に植え付けてください。

それでは、これから頑張って続けてください(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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