犬のしつけがQ&Aで分かる!

段々「ウ~」と唸って噛みつくようになってきた犬のしつけ

Q.ご質問:お世話になります。一度メールにてご相談をさせていただきました○○と申します。
以前お話させていただきました、トイプードル犬のしつけ(生後約9か月)について改めてご相談をさせていただきたく、メールをさせていただきました。

ご相談させていただいた後、仰向けがためやリードウォーク等を行い、お散歩やお遊びなども行ってきました。おかげさまで少し状況がよくなってきたかな?
という感がございました。

ところが最近、トリミングにつれていくごとに「噛犬になってきているがどうかしたか?」と言われるようになってきました。家では特に悪くなっているようには感じていなかったのですが...

ただ、確かに突然「う~」と唸って挑んでくることがありました。そんなときは「ハウス!」といってケージにいれて落ち着かせていました。「う~」という理由は何かに我慢ができなくて・・というより、何かをとられるかもしれないとか、机の上にいたいのに(危ないから下ろそうとするのですが)おろされそうになった時など、こちらがいくら平常心のままでにこやかにおろそうとしても、犬がそうしたくないと思った瞬間に野生のように立ち向かって噛みついてきます。

トリミングをお願いしている美容院の方は、はじめは「鉄の意志でしつけを」とおっしゃっていたのですが、最近は「しつけの問題ではなく先天的に精神的に問題がある犬かもしれない。何をすれば噛むというよりいつ噛んでくるかわからない。赤い目をして挑んでくる。てんかんを起こすようならすぐに医者に連れていった方がいい」と言われました。

確かに購入する際、店員さんが「たまにこんな子きちゃうんですよね。落ち着きがなくて言う事を聞かない...」と生後2ヶ月の時に言われました。まだ赤ちゃん子犬でしたし、私たちにはよくわかりませんでした。

美容院から戻り、堀川さんの本を再度読み直し、夏になってから冬のベッドがボロボロになってしまったため取り除いてしまっていたこと。ケージがリビングの真ん中にあり、ベッドもなく精神的に落ち着かなかったのではないかと思い、ケージの中に犬が安心していられるようもう一つハウスを入れました。そしてケージの場所もリビングの端に移動しました。

それからは少し落ち着いてきていたように感じていました。

ところがそれでも、たまに急に噛み付きモードとなり野生のように向かってきます。(特に我慢しきれずという状態にはしていません。)たいがい犬が持っているものを(とろうとしなくても)取られるかもしれないと思ったときや自由な行動を止められるかもしれない(テーブルからおろすなど)と感じたときに突然豹変する感じです。

最近はケージの中でもよく吠えています...

なんとか犬の気持ちが落ち着き決して人間を噛まない犬にしたいのですが、どうしたらよいでしょうか。再度ご助言をいただきましたら幸いです。よろしくお願い致します。


A.お答え:まず、念のため獣医さんには一度診てもらって、安心だけしてください。おそらく障害的な異常はないはずです。疑問を残したままにするとスッキリ安心できないので、まずは余計な疑念と心配を無くすために獣医さんに診せてください。

原因は、やはり関係が崩れているようです。本当に精神異常があると、常にてんかん的な症状・・もしくはパターンが決まらず発生します。しかし、今回は「犬が気に入らないことが起こった・・起こりそうになった時・・」ということですので、明らかに関係が崩れ犬が自分の優位性を強く感じています。

今、生後9か月くらいですね。症状が強くなってきたのは、7か月か8か月くらいじゃないでしょうか。歯の生え変わりが終わり、ホルモンバランスが変わり、成犬に移行する最終段階になります。知能が高くなる・・変化によるイライラ・・反抗期の症状もありますし、成犬本来の権勢本能が出てきます。

そして、今までの接し方全体が甘かった・・という結果が出たことでもあります。

>机の上にいた・・テーブルからおろす・・

↑これを拝見して、やはり甘やかしや一貫性の無さがおありだったのではないかと感じました。本来なら、机やテーブルの上に乗る前に、叱って教え続けないといけません。おそらく、上に乗ることがしばらく習慣になっていたんじゃないでしょうか。犬に好きにさせることが多かったんじゃないでしょうか。

関係作りが進んでいれば「ウ~」と唸ることはありません。これは関係が崩れている証拠なので、これを一つのバロメーターにして今後の犬のしつけを展開していってください。最終目標は、犬に何をしても絶対に「ウ~」と唸らない事・・これが最低限の目標です。

特定の手法だけ上塗りしても犬のしつけは絶対に成功しません。あお向けやリーダーウォークで表面上の動作だけしても意味はないのです。「自分がリーダーで主導するんだ!」という強いご意志がないと、伝わらないのです。

犬は相手の手法を見ているわけではなく、自分に対してのすべての態度しぐさ全体を見て感じています。そして相手と自分の関係性を判断していくのです。

ですので、あお向けもリーダーウォークも、表面上の操作ではなく、毅然な態度をしっかり示すことを意識してください。そして、普段の何気ない接し方全体も犬は見ているわけですので、意味なく見つめナデナデ抱っこにオヤツ・・猫なで声で声掛け・・犬のご機嫌を伺う・・なだめる・・というような態度やしぐさをしてはいけないのです。

声をかけたい触りたいと思ったら、必ずオテでもスワレでも何でも良いので、必ず「指示→従う→褒める」というパターンを意識してください。指示で出来なかったら型で教えて褒める・・いつでもどこでも「主導」です。そういう接し方ならスキンシップも取れますし、主従関係も深まっていきます。

しばらく、ケージから出す際はリードを付けて持っていてください。唸ったり噛みつく素振りを見せたら、現行犯でリーダーウォークに移行してください。ケージに入れるだけでは、犬には何も伝わりませんし物事の良し悪しを学ぶこともできません。

唸ったり噛んだら「ダメ!」と厳しい声と視線を送り、そのまま淡々とリーダーウォークにすぐ移行してください。特にゴハンを見せてスワレ・マテ、ボール遊びで投げる前にスワレ・マテ、のように「唸りたくなるような」状況をあえて作って、たくさんやってください。

あお向けもたくさんやってください。唸ったらすぐ「あお向け」が理想ですが、噛まれるのが怖ければリーダーウォークからにしましょう。それと、ホームセンターに行くと600円くらいで作業用の皮手袋が売っていますので、装着して行えばリラックスしてのぞめます。

飼い主さんが緊張興奮すると、ホルモン変化が体臭で伝播して犬もさらに緊張興奮するからです。

まずは意識全体を見直してみましょう。そこから変えないで、手法だけ上塗りしても犬には伝わりません。まだ成長期が残っていて、これからも犬本来の権勢本能は強くなっていきますから、気持ちで負けないで毅然と淡々と毎日続けてください。毎日意識してやると、自然にそれが表現できるようになります。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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