犬のしつけがQ&Aで分かる!

普段の世話をしている人に唸る・威嚇する犬のしつけ

質問内容
初めまして。8か月の秋田犬と室内で暮らしております。先代の秋田犬が昨年に亡くなって、直ぐに我が家に家族としてやってきました。

困っていることは、普段の世話全般をしている私に「唸る・威嚇する」ことです。

トイレは室内の決まった場所に小も大も出来てスムーズに覚えて助かったのですがこの「唸る」事と「噛む」事には困っています。噛む癖は「甘噛み」はまだ今も残っていますが、家具や建具を噛む行為は歯の生え変わりとともに治まってきました。

生後4か月を過ぎた頃から食事の時に食器を見ると「唸り」はじめたのが最初だったと思います。

それからはケージの中で休ませているときに、私が前を通ると「唸る」こともありました。そう度々ではありませんでしたが、これは困ったと感じていました。

決定的な出来事は5か月頃、私が半日出かけて帰宅した時、ケージの中に入っていた犬が、私が玄関を入るなり「唸り」始めて、結局リードを付けられるようになるのに4時間ほど私の顔や姿が見えると「唸られ吠えられ」続けたということがありました。

それ以来、出かけて帰ってくる、また、ちょっと離れてお風呂から戻ってくると「唸られる」ということが度々あり困っています。その度、納まるまで手が出せないので困ります。食事の度に「唸って」食器を噛むこともあります。

留守番は犬だけの留守番ではなく家族が必ず誰かいる状態です。一人での留守番は2~3度短い時間しかありません。

また、普段は足から尻尾、腹まで仰向けで触らせるのですが「甘噛み」が治まらず困ります。また、犬が寝転がって何んでもない時に撫でようと手を出すと「唸る・噛む」ということもあります。

どうやら私をリーダーと見ていないのは確かなようです。また呼んでも立ち上がってこないので、リードを外せず家の中でもリードを付けております。

これまで何代か秋田犬を飼っておりますが「唸る」子は始めてで、「ワンワン」大きな声で吠えられても大きな恐怖は感じなかったのですが、長時間、背中の毛を逆立てて「唸られる」体験は恐怖心もってしまい、この犬にそれを感じ取られているのでしょう。ほぼ1日中、一緒に過ごしておりますので、様子を伺い、構い過ぎていることも実感しています。

また、生後6か月までにお散歩中などになんでも口に入れて、煙草の誤飲で3度嘔吐処置もしていただきました。

散歩中に飛び上がって足や手に噛みつく事もよくあり困っていました。獣医さんにリーダーウォークの重要性をお聞きして今は、リーダーウォークを頑張って実践して煙草の拾い食いは2ヶ月以上ありませんし、飛び上がりもなくなったのですが、まだまだ犬のペースという感じです。

うちの子は先走って引っ張るのではなく、飼い主の私の後ろをのらりくらりとついてくるのを引き寄せて歩く感じで、中々、私の脇について歩くという感じではありません。

リーダーウォークの際に寡黙にとの事に、今まで常に「行くよ、来い、いい子おりこう」など声をかけて歩いていたので、寡黙なリーダーウォーク早速実践してみます。

他の家族にはちぎれんばかりに尻尾を振ってお迎えに出ますし「唸る」ことなんてありません。お客様にも吠えかかることもなく人懐こい犬なのですが、興奮しやすく立ち上がって舐めかかり「ウレション」が治らずこれも困ったことです。

落ち着いた状態からの「お座り・伏せ・待て」は、頑張ってお稽古しているのですが、1度の指示で出来るまでには程遠く、実践での「お座り・待て」で興奮を治めるところもまだまだです。オヤツを使わないしつけこれから頑張ってみます。

これから、じっくり読ませていただいて実践してみたいと思います。恐怖心が先に立って、沈みがちでしたがもう一度頑張って犬に向き合ってみます。


返答内容
今回は厳しい言い方になりますが、まず現実をお話申し上げます。

今回の秋田ちゃんは問題犬ではありません。

先代の秋田ちゃん、歴代の子たちの素性が良い子だったのです。

今回の秋田ちゃんが悪い犬なのではありません。


>他の家族には尻尾を振ってお迎えに出ますし「唸る」ことなんてありません・・
>お客様にも吠えかかることもなく人懐こい犬・・

↑このことからも分かるように、犬は相手一人一人を見て感じて判断して、反応しているということです。

現状では、犬からしてみると、奥様が見下されてしまっています。主従関係が逆転しているのです。

よく言われますが、「犬は世話をしてくれる人になつく」というのは、半分正解で半分間違いです。

「どういう人が世話をするか」によって、犬の反応が180度変わってきます。

主従関係の理解がある方で、毅然さと主導性を身に付けた人ならば、犬を世話すればするほど良い関係になっていきます。

しかし、その意識が無い方・足りない方・上手く犬に伝えられない方は、世話すればするほど犬に見下されていきます。

単なる世話係、いつもチヤホヤうざい存在、という認識になってしまうのです。

もともと、奥様も犬の世話の経験が豊富な方ですので、それはご理解されているかもしれませんが、例えば、「子供達が独立して寂しくなった」、「先代の犬が死んでしまい寂しくなった」という精神的背景が、無意識に影響したりするものです。

そういうこともあったかもしれません。

しかし、それら人間側の事情は、犬の知能では理解できません。

犬は犬の本能で、冷淡に反応するだけです。犬も本能で、必死に生存競争の中を生き残ろうとします。

まず今回は、奥様が意識改革されてください。

自分が変わらないと、犬も変わりません。

これは避けて通れない道です。表面的な手法だけをアレコレしても、犬には伝わりませんし、見抜かれます。

今はまだ、今までの奥様との関係の基準値が犬の中にありますので、急変すると矛盾やギャップが大きすぎますので犬も反発しますが、それも自然な反応です。一喜一憂されないで良いです。

表面的にアレコレしないで、ご自分の根本意識から変えてください。自然と振る舞いや態度が変わりますので、それを犬が感じ取っていきます。

ちょうど今は反抗期のピークというのも重なっていますので、しばらく良い結果は出ないとご覚悟されてください。

精神的な長期戦になるかもしれませんが、気持ちで負けないことです。相手の精神的な弱さを犬は見抜きます。


さて、もう一つお願いですが、犬の世話を奥様に集中しないで、ご家族皆さんで行うことです。

それも、役割分担ではいけません。例えば、「エサはお母さん、散歩はお父さん」などにしてしまうと、「○○をする人」という単なる世話係になってしまうので、皆さんが全ての世話・しつけをできるようになりましょう。

そして例えば、月曜日はお母さん、土日はお父さん・・・などのように、曜日で分担されると良いです。

もちろん、お仕事の関係など事情は色々ありますが、これも犬の知能には理解できないことです。


そして、接し方・態度も一貫しましょう。

一貫性が無いと犬には理解できません。誰かが厳しすぎたり、甘すぎたりすると、その人に対して攻撃的になったり、その人以外に攻撃的になったり・・・ということが起こります。

今回は、奥様が少し犬と距離を置くべきです。特に、精神的に強くなっていただきたいと思います。

そのために、本書とQ&Aサイトを必ず読み込んでください。熟読されていく中で、意識と知識が高まっていきます。

繰り返しになりますが、自分が変わらないと、犬も変わりません。

これは避けて通れません。

必ず通らなければいけない道です。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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