犬のしつけがQ&Aで分かる!

反抗期の犬の下痢や落ち着きの無さとしつけ方

質問内容
堀川さん、いつも大変お世話になっております。少しご無沙汰いたしました。今日も質問があり、メールさせていただきました。

今回はフレンチブルドッグ生後5か月とドーベルマン7か月のことです。

まずフレブルです。ウンチのことなのです。フレブルのことは主に主人が面倒をみていて、普段は仕事場に連れて行き、夜に一緒に帰ってきて、家ではサークルで過ごします。これは来たときからなので変わっていません。

このところ、ウンチがすごく柔らかく、量も回数も多いせいか、その対応に主人が大変がっていたところ、最近うんちを我慢するようになってきて、ついに主人が居る時は絶対しなくなってしまいました。

以前は声掛けでタイミングが合えばしていたようですが、今は居なくなったのを見計らってするのです。我慢するから量も多くなり、トレーだけじゃなく、クレートの中にもするようになり、どうしちゃったの?という感じなのです。

私はほとんど構っていないので、今までの知識やサイトで読んだことを参考に、"あんまり声掛けしすぎたり見つめ過ぎないほうがいいのでは?"とアドバイスし、主人なりに気を付けているようですが、口癖のように"チチチ"とか"うんうん"と言っているのを耳にします。

また、たまに無意識に粗相を叱っているような態度や言葉も発しています(強くはないです)。

ドーベルマンの経験から、声掛けするとオシッコをしなくなったことがあったので、このようにアドバイスしました。

ここ一か月くらいこの状態で、状況は悪化しているように思います。

フレブルの生活ですが、朝から晩まで主人と二人きりのような感じで、仕事場でも長時間傍に置いて生活しています。月水金は22時過ぎに帰ってくるので、家のわんことの接触や私とのかかわりもほとんどなく、火木土は夕方帰宅なので庭でバロンと遊んだり私もちょっと遊びます。

また、ウンチがかなり柔らかい(ティッシュで持てないくらい)ので、整腸剤を飲ませるようになりました。これは効果が無かったのでやめて、ごはんを変えてみたりもしましたが、さらに柔らかくなったようです。

成長してきて少し物事が分かってきたため、毎日家から一時間車で移動して夜帰ってくる生活がストレスに感じるようになったとかありますか?

私はみんなお留守番させているのだから、そろそろ連れて行くのをやめてもいいかと思いますが、主人はしつけをみっちりやりたいみたいです。そのせいか、色んなことを教えて出来るようになっています。

座れ、マテ、ミテ、お手、お替わり、ゴロン、フセ、ジャンプ、持って来い、取って来て、クレートなどです。私がまともにしつけをしたドーベルマンなどは、この半分以下くらいしか出来ないのですごいなーと感心するほどです。

主人は相変わらず口調も怖く、厳しいしつけをしていると思います。クレートからサークル内に出ても"出ていいと言ってない"などと言って注意しています。

状況をあれこれ書きましたが、フレブルがウンチを主人の前ではしなくなったことの原因や改善するところがあれば何でもご指摘ください。


次はドーベルマンのことです。

三週間ほど前に去勢手術と肛門腺摘出術を受け、傷もきれいに治り症状も消失して元気です。アドバイスありがとうございました。

相変わらず同じ悩みなのですが、外での興奮や引っ張りです。家の中では他のわんこを見ると一緒に遊びたがって引っ張りますが、一人だと特に問題なく落ち着いています。

でも、外に出ると本当に何も耳に入らなくなり、外界の全てのことに気が向いているのです。ほとんど毎日外に出しているのですが、いつまでたっても外が新鮮で、命令などほとんど入りません。

散歩では、私が立ち止まればバロンも立ち止まり、引っ張りは止みます。でもキョロキョロあちこち見回しています。そして私の存在を気にするようになったら歩き出しますが、その瞬間またすごいパワーでずんずん行こうとします。

以前に教わった膝を顔の前に出すようにすることをしますと、躊躇してゆっくり歩くようになりますが、ずっとやっていられず、止めればすごい速さで歩きます。ツケもマテも来いも何度も言っていれば出来ますが、出来たら終わり!みたいな感じで、すぐに行こうとします。主人は"この落ち着きの無さは異常だ"と言います・・。

私は今はあり余っていて仕方ないと思いつつも、落ち着けない性質の子なのか?と気になってきました。もう少し指示が入るようになりたいと思うのです。

犬のしつけ状況は、褒めるを中心にしたところ、鳴くことはあっても吠えることはなくなりましたし、指示にも素直に従うようになっています(家の中のみ)。

サークルの外ではまだリードを外したことはありません。また団らんも遊ぶ部屋のみで、遊びが終わったらサークルに戻ります。最近我が家の増築工事が始まり、サークルの窓に面している部分に作業の人やブルドーザーなどがきて声や音がかなりしますが、吠えずにじっと見ています。ストレスは感じていると思いますが、ドーベルマンの状態には変化ありません。

フレブルとは週に3回くらいお庭で思い切り遊んでいますが、他のワンコたちのことは見るだけにしています。チワワたちはドーベルマンがある一定距離を保っているぶんには気にしないようになりました。近くなると数匹が吠え、この数匹は前から吠えていた子です。このあたりは進歩していません。

また色々書きましたが、ドーベルマンの外での落ち着きを持たせるのに何かアドバイスありましたら何でもお願いします。

お忙しいところ大変申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。


返答内容
>毎日家から一時間車で移動して夜帰ってくる生活がストレスに感じる?・・

↑私が心配していたのはこれなんです。

移動も長いですが、犬は環境の変化にとても敏感な動物ですので、居場所がコロコロ変わるのはストレスなんです。出来るだけ一か所に決めて、固定してあげることです。特に、成犬の本能が出てくると敏感になります。

それともう一つ気になるのですが、病院なので何か殺菌消毒成分が身体に取り込まれているということはないでしょうか。

今は発達していますので、業務用の紫外線殺菌など良い空気清浄器があるのだと思いますが、器具の殺菌剤が気化して空気中に漂っている部分もあるはずです。

また、飲み水も重要です。犬の身体は意外と敏感で、道路の水たまりをなめたりミミズの死骸を食べても何ともないくせに、浄水器を通した水を飲ませると下痢したり・・・など、不思議な敏感さがあります。

腸内の善玉菌まで滅菌してしまったり、逆に浄化し過ぎて塩素量が変わって菌が増えすぎたり、化学成分に反応して下痢したり・・・。水、空気など根本的な事を変えて変化を見てみましょう。

それから、ご主人はフレブルちゃんにオヤツは与えていませんよね?

例えば、牛乳を使った製品は下痢しやすいです。チーズ系や、ボーロでも材料に牛乳が使われている場合があります。

牛乳を消化できる酵素を持っていないんですね。人間も同じで、黒人はほぼ100%の人、日本人も何割かの人は牛乳を消化できる酵素を持っていませんので下痢します。


それからしつけ方ですが、人間の言葉でクドクドせかすのはいけません。犬には意味が分からず、とてもイライラ興奮してストレスになります。

チチチチの音出しも、あくまで排泄が始まってからそこに効果音として関連付けます。それが定着してから指示音として使えるのですが、結果を急いでしまって、まだ定着していない段階で指示だけで結果を出そうとしないことです。

それと、犬のしつけではトイレだけは絶対に叱ったりクドクドと嫌な教え方をしてはいけません。

犬には意味が分かりませんので、嫌悪感だけが残り、それが排泄の行為と結びつけられてしまうのです。それで余計に隠れて粗相するようになります。食糞のしつけも同じです。

ただ、自信は失わないでください。

↓この月齢で、これだけ出来たら出来すぎです。

座れ、マテ、ミテ、お手、お替わり、ゴロン、フセ、ジャンプ、持って来い、取って来て、クレートなどです・・

犬もみんな覚え方に個性があります。そして、トイレは生理現象ですので、他のしつけや指示行動の教え方とはちょっと性質が違うのです。デリケートです。

特にこの月齢では、権勢本能が出てきて縄張り意識を持ったり、早い子は生理も始まりますので、歩きながらオシッコを垂れ流したりなどもします。

結果を焦らないで、まずはクドクドせかしたりしないで、自然な排泄を待って、見かけた時だけ効果音的にチチチチチ・・・とつぶやくだけにしてください。失敗を見ても絶対に叱らないことです。知らんぷりしてサッとかたずけます。

指示でさせるタイミングとしては、寝起き、ケージから出た時の興奮刺激、食後の胃腸の刺激、遊んだ時の興奮刺激、外に出た時の興奮刺激です。

それらが重なっている時が排泄しやすいですので、まずは普段関連付けを十分しておいて、その後に条件が重なった時に音出し(指差しジェスチャーも)してみてください。


>"出ていいと言ってない"などと言って注意しています・・

↑これは犬の知能では理解できません。マテをさせたまま扉を開けて待たせて、少しマテできたらコイで出させて褒める・・・またケージに入れてマテ・・・ということをコツコツ続けながら、徐々にマテの時間を長くしていきましょう。


最後にドーベルマン君ですが、まだまだまだまだ(笑)落ち着ける月齢ではありません。

ホルモンバランスの変化も激しいですし、体力があり余っていて、知能が急激に上がり、成犬としての本能がドンドン出てきます。しかし経験が乏しいので、訳も分からず興奮パニック状態になるのです。

大型犬の場合は特に、社交的な子が多く、鈍感で怖いものなしでガツガツいきますので、こんな感じになります。

リードを腰に二周くらい縛って、短めにし、手で操作するというよりは腰(体全体)で操作するイメージが良いです。女性の場合は、思いっきり切り返してみても良いです。そのくらいでちょうど良いです。

身体も強いし少し鈍感なので、そのくらいしないと大型犬には伝わらないです。

でも、結果が出にくい時期ですので、感情的に怒ったり期待はしないことです。犬の5か月から8か月は、何も期待してはいけません(笑)とにかく変化が激しいです。10か月くらいまでは落ち着かないと思われたほうが良いです。


さて、気温も上がってきましたので、天気の良い日は外で長時間過ごしてください。たくさん距離を歩く必要はありません。キレイで安全な場所を見つけたら、そこでノンビリ座って、その周りを犬にウロウロさせれば良いです。

飽きるまで慣れさせてしまえば良いのです。経験が少ないから・・知りたいから・・気になるから、興奮してグイグイ・ウロウロ・キョロキョロします。知ってしまえば、飽きるほど経験してしまえば、当たり前になって興奮や興味も薄れていきます。


では、またQ&Aサイトを熟読されてください。同じような事例が山ほどあります。特に月齢別の記事をよくご覧ください。その時期の犬の標準値も知っておけば、精神的に楽になります。

まだまだ期待できる時期ではありませんので、やるべき事を淡々と続けながら、犬達の成長を待ってあげましょう。

それでは、また頑張って続けてください(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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