犬のしつけがQ&Aで分かる!

7か月の犬のしつけは難しい時期・しつけの本質とは

質問内容
堀川様お世話になっております。(7か月のテリア犬)

先日も早いお返事をいただきましてありがとうございます。正直な所、ご指摘いただいた現実にショックで、1日考えていました。

「毅然とした態度」「従属的な世話」...自分のこれまでの行動を振り返ってみました。

確かに、散歩させていても、いつも動きが気になって、変なものを食べないだろうか、小さいワンちゃんや通行人に飛び付いたりしないだろうか...内心びくびくしていました。

世話の時も、なんとなく、じっと見てくるのが可愛くて、笑いかけたり、「ウンチ出たの?」「オチッコいっぱい出たね」「はい、キレイにしたよ」など声をかけていました。でも全くそれらを悪いことだとは思わず、ただのコミュニケーションのつもりでした。

...ダメだったんですよね。

コング遊びも未だに上手くいかず、2回ほどで無関心になり、私には目もくれず、部屋中かぎまわっています。移動バッグもオモチャだと思っているようで、ちゃんと入れられません。

何度もサポートいただいているのにお恥ずかしいのですが、これが我が家での私と犬との現実です。

私は人の顔色やいろいろなことがつい気になってしまう所があるので、それが犬のしつけには悪影響ですね。

昨日の朝から、犬と目を合わせず、声もかけずに世話をしています。吠えたら一度厳しく叱って、その後は無視しています。

犬が「あれ?」と感じているように思いました。

ケージへの布かけですが、写真のような感じでよいですか?
毛布、引きずり込んで噛んでいますが...。

主人との世話のランダムな分担なのですが、仕事の日は今も、水換えとウンチを取るのはやってくれています。いつもは主人が出勤した後に散歩に連れていき、その後ゴハンにしていますが、散歩→ゴハンの順序を変えてもよければ、主人にゴハンをあげてもらう日も作れますが...どうでしょうか?

帰りが遅いので、仕事の日の散歩は難しいです。朝の出勤前はちょっとかわいそうで...。

休日は一緒に散歩に行きますが、この2ヶ月ほどはやめた方がいいですか?

これまでは、主人にリードを持ってもらって、私が前を歩いていました。私を追いたがるので、下をクンクンや拾い食い、座り込みが一切なくて、私も気分転換になっていたのです。ただ、主人は犬が引っ張るがままにさせてしまいます。

もし、二人での正しい型で散歩の仕方があれば教えていただけますか?

よくないのであれば、どちらかが一人で連れていくようにします。

数日前からリードを噛むだけではなく、前足の片方をリードにくぐらせて、引っ張れないようにされます。本当にズル賢いのですね!

トイレに行くと吠えるのは戻ってきてほしくて不安なのかと思っていましたが、そうではないのですね。

分かりやすく解説していただき、現状を知ることができました。

今は辛くてもここを乗り越えられたら自分も成長できる気がしてきました。
「育児」は「育自」と言いますよね。
犬との楽しく過ごす未来を想像して頑張ってみます!


返答内容
「人は子を育てて親になる」

と言われます。

犬の飼い主さんも

「犬を育てて飼い主になる」

のです。

特に今の時期は一番難しい時期です。上手くいかなのが普通だと思われたほうが気が楽です。


>私は人の顔色やいろいろなことがつい気になってしまう・・

↑私もそういうタイプです。だからこそ、逆に相手を見抜けるというメリットもあります。気になって終わるのではなく、心を研ぎ澄ませて感じてください。

そして相手に合せるだけでなく、自分の意見も言ってみてください。これも練習です。

犬に対しては合わせてはいけません。

犬には残念ながら、大人の日本人のような「和の心・惻隠の情・わびさび」は理解できません。

相手がそういうシンプルな知能の動物である以上、いくら私達が「分かってほしい」と願っても、それはできないことなのです。

むしろ犬を苦しめているのです。

人間関係でもそうですが、相手を直接的に変えることは出来ません。まずは自分が変わってその影響で相手も変わる・・・というプロセスが必要になります。

犬に対しても、自分を変えずにしつけテクニックの上塗りだけで犬を変えることは出来ません。

自分が変わって、毅然さと主導性を一貫して示し続けるから、その積み重ねを犬が認め習慣になり、主従関係と信頼関係が積み上がっていくのです。


そして、間違えてはいけないのですが、無視だけが良いのではありません。

スキンシップも大切ですし、接しないと物事も教えられません。

「接し方」の問題なのです。

たっぷり褒めて良いんです。

でも、「何に対してどういうふうに褒めるか」なのです。

意味なくジロジロ見つめて、猫なで声でナデナデしても、犬には何のことかさっぱり分からず、ただただその態度を従属的に感じてしまうだけなのです。

そうではなく、ちょっと工夫して、主導性と毅然さをくわえてみます。

例えば、一番簡単なのは、犬の片方の前足を手でつかんでちょっとだけ浮かせて、そこで「オテ」の音を出しながら、もう片方の手で犬をポンポンしながら、褒めれば良いのです。

甲高い声で大げさではなく、リーダーらしく堂々と静かに褒めます。もちろん、抑揚は付けていただいてかまいません。

「○○良い子」と名前も混ぜてください。(叱る時は名前は呼んではいけない)

たったそれだけで、

「主導性・毅然さ・スキンシップ・物事の教え・遊び・運動」

というたくさんの要素が入ります。

あとは何でも同じように、「良い型」をこちらから作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーで褒めてあげれば良いのです。

そういう接し方ならば、たくさんして良いのです。


もちろん、一日中それをやっていたら癖になって、留守番や寝る時とのギャップが大きくなるのでストレスになります。遊びの時間以外はチヤホヤかまわないという基本姿勢は大切です。


>ケージへの布かけですが、写真のような感じでよいですか?・・
>毛布、引きずり込んで噛んでいますが・・

↑これではダメなんです。犬が噛んで外さないようにしないといけません。

ホームセンターに行くと、例えば台所用品コーナーとか、建築造園コーナーとか、いろいろ回ってみると単品の金属柵が見つかります。100円ショップにもお店によってはあります。

その柵を針金やビニールバンドでゲージ柵と結んで、屋根を作ってください。

そこに毛布を掛けましょう。


>散歩→ゴハンの順序を変えてもよければ・・

↑これでも良いですよ。激しい運動をするわけではありませんので大丈夫です。それと、食べて血糖値が上がってきますので、それを歩いて消費するのはとてもバランスが良いです。


>休日は一緒に散歩に行きますが、この2ヶ月ほどはやめた方がいいですか?

↑これはかまいません。


>ただ、主人は犬が引っ張るがままにさせてしまいます。
>二人での正しい型で散歩の仕方があれば教えていただけますか?

↑リードを持っていない方のほうが前を歩くのが正解です。

犬の後ろを歩かないことです。従属性を示してしまいます。

そうすると、前を歩く人を犬が追いかけて引っ張りたくなりますが、そこでリードを持っている方が、ツケ・ツイテなどでチョンと引いて自分の太ももをポンポンしてリードで誘導して付かせて褒めてください。

これはもう何度も何度も毎日練習です。

犬が外の世界に興奮して、なかなか教えが入っていきませんが、あきらめないで根気良く続けていきましょう。

普段の何気ない接し方も修正していただければ、外での犬の反応もまた変わっていきます。

犬の成長と慣れも待ちながら、コツコツ続けていきましょう。


>トイレに行くと吠えるのは戻ってきてほしくて不安なのかと思っていましたが、そうではないのですね・・

↑これもありますよ。支配欲、試している、不安、遊び、気晴らし、警戒、威嚇、などなど、犬が吠える要素はたくさんあって、複合している場合も多いのです。

今回の場合は、吠えるタイミングや月齢で変わってきたことからして、ズル賢さの影響(試す・支配欲)が一番大きいと思われます。

他の要素も混じっていることもよくありまして、「どの要素が強いか・弱いか」になります。

いずれにしても、無駄吠えは教えて無くしていきましょう・・・


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針